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イラクでのISISの攻勢によるイラク情勢の変化に衝撃を受けました。米軍撤退による治安維持の「イラク化」が進められる中で、こんなことになると予想していた方々はいましたか。私は予想だにしていませんでした。イラク政府軍の敗走や降伏はさながらバティスタや南ベトナム軍の敗北を連想してしまいます。
ベトナム戦争を主導したアメリカ政府の「ベスト・アンド・ブライテスト(最良かつ頭脳明晰な人々)」が泥沼に陥ったように、ブッシュ・オバマ両政権下でイラク戦争で次の世代の「ベスト・アンド・ブライテスト」が同じ失敗をしつつあります。
ラムズフェルドの「小さな足跡」作戦が電撃的勝利を得て、ペトレアスの「交番」戦術が治安の改善に一定の効果を見せるなどアメリカは決してバカな組織ではありません。しかし、アイビーリーグ出身のエリートを山ほど抱える合衆国政府はイラクの泥沼を解決できていません。アメリカ政府の政策決定や戦略構想の何がまずかったか、なぜ「正しい」解決案は出てこなかったのかと疑問に思います。皆さんはどう思いますか。
また集団的自衛権の問題から考えれば日本にとっても他人事ではありません。たとえ自衛隊が最強であろうとも「ベスト・アンド・ブライテスト」の政策決定や戦略構想の匙加減一つで取り返しのつかないことが起きるかもしれません。日本政府は有事の際に「正しい」解決策を採用できるのでしょうか。
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