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> イラクでのISISの攻勢によるイラク情勢の変化に衝撃を受けました。米軍撤退による治安維持の「イラク化」が進められる中で、こんなことになると予想していた方々はいましたか。私は予想だにしていませんでした。イラク政府軍の敗走や降伏はさながらバティスタや南ベトナム軍の敗北を連想してしまいます。
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> ベトナム戦争を主導したアメリカ政府の「ベスト・アンド・ブライテスト(最良かつ頭脳明晰な人々)」が泥沼に陥ったように、ブッシュ・オバマ両政権下でイラク戦争で次の世代の「ベスト・アンド・ブライテスト」が同じ失敗をしつつあります。
当時は補佐官だったキッシンジャーは、「あらゆる人々が、完全に合理的に動いた結果、とてつもなく複雑な問題をつくりだしてしまった」
と回顧していますね。
政治的、軍事的には、確かに失敗だった。
> ラムズフェルドの「小さな足跡」作戦が電撃的勝利を得て、ペトレアスの「交番」戦術が治安の改善に一定の効果を見せるなど
アメリカはあまり損していないと思います。
戦争をやれば、大量の兵器や軍需品が必要になって、巨大な需要が生まれる。
ロッキードやボーイングやコルトやゼネラルエレクトリックといった、兵器産業からの税収が増えて、財政改善に貢献している。
国債を大量に発行したために、フォートノックスの金塊ではドルの価値が担保できなくなって、世界的な大インフレーションに突入したのはご承知のとおりです。
トイレットペーパーの買いだめとか、まあ大騒ぎだったけれど、アメリカから流出したドルは、先進国がアメリカ国債を買い取ることで解決してしまった。
アーリントン墓地で涙する母親の姿は印象的だけれど、「人」は結局、補充可能な要素なので、アメリカは先進国で最も人口増加率が高い。
深刻なのは、高額になった工業製品を輸入しなければならない途上国だけで、さらに貧困が進んだけれど、先進国の知ったことではない。
WW2で膨れ上がったアメリカの産軍共同体は、常に戦争を欲しているのではないでしょうか。
世界のどこかで紛争が起きると、すかさずロビイストが動き、議会が動き、アメリカ政府が介入して武器を供給する。
> また集団的自衛権の問題から考えれば日本にとっても他人事ではありません。たとえ自衛隊が最強であろうとも「ベスト・アンド・ブライテスト」の政策決定や戦略構想の匙加減一つで取り返しのつかないことが起きるかもしれません。日本政府は有事の際に「正しい」解決策を採用できるのでしょうか。
アメリカが日本に期待するのは、ちゃちな自衛隊の派遣などより、中国以上にアメリカ国債を買い、アップルのデジタルガジェットを輸入してくれることではないでしょうか。
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