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Re:当たる飛行機、当たらない飛行機
 ささき  - 13/4/1(月) 7:17 -
  
> > 傑作、駄作、凡作という言葉の定義も曖昧ですが、大雑把には
> >
> > 傑作…飛び抜けた高性能を発揮した、あるいは実戦で大活躍した
> > 凡作…取り立てて欠点もないが見るべき性能もなく、大した活躍もしなかった
> > 駄作…他国の同程度機に対し欠陥的に劣り、事故や戦闘で大被害を出した
> >
> > というような定義になるでしょうか?そうすると紫雲はどれにも当てはまらないと思いますが、いかがでしょうか。
>
> うう、本の題名から素直に持ってきた持ってきただけなんですが、カテゴライズするというのはなかなか難しいものですね。

「傑作」の大安売りもどうかと思いますが、「駄作」という表現には貶しのニュアンスがあるので、私は濫用をためらいます。笑って済ませるネタならそれでも良い場合もあると思いますが。

> ところで別の件で世傑No.141Me210/410を見ていたところその51ページに疋田遼太郎氏の言として「学校を出て海軍に入ったころ、先輩たちが『アノ飛行機は当たった』『アレは当たらなかった』と話しているのを聞いて、ヒコーキは、当たったり、当たらなかったりするのかと思った。…」という記載があるのですが、これに従えば紫雲は当時の海軍では「当たらなかった飛行機」ということなりますでしょうか。

製品が商業的に成功するか否かは企画や設計が適切であることはもちろんですが、「運」というファクターもあると思います。構想段階では正鵠を得た企画だったのに、開発が済んでいざ販売に漕ぎ付けた頃には状況が変わって売れなくなる場合もありますし、特定顧客からの非常に特殊な要求を受けて既存品を無理やり改造して作ったような「でっちあげ」製品が、いざ発売してみると意外な客筋に好評でヒット商品になることもあります。
技術動向予測も含めて行うのが企画であり、顧客さえも意識していない需要を拾い出すのがマーケティングだ、それを運だとか当たり外れというのは甘えであり言い逃れだと言われればそれまでですが…。

> ただ飛行機ににも運の強いのがいて、太平洋ではダメダメでもフィンランドで大奮戦F2Aバッファローとか、米英では低評価でもレンドリース先のロシアで大活躍ささき様大好きP39エアラコブラとか一概に言えないものもあります。

「その製品(兵器)が実現しようとしたこと」「実際に実現された性能」「現場(戦場)において評価された性能」は必ずしも一致しないと思います。
P-39 については散々語ってきたので F2A に関して言えば、米海軍が求めたものは複葉艦戦に代わる低翼単葉・全金属製・引き込み脚の近代的艦戦であり、F2A はこの目的には合致した飛行機でした(だから XF3F を差し置いて採用されたのでしょう。性能的には確かにパッとしませんが、1939 年の段階で世界にどれだけの単葉艦戦があったでしょう?)
しかし 1930 年代の技術進歩はめまぐるしく、太平洋戦争が始まった頃には旧式化しており、欧州の戦訓を受けた「改良」であるはずの武装・防弾強化による重量増加も災いして 0.5 世代ほど新しい零戦・隼には太刀打ちできない機体になってしまいました。F4F がやったように二段過給エンジンにパワーアップしサッチウィーブ戦法である程度対抗できた可能性が無いわけでもありませんが、本機は主脚強度が弱いとか縦安定性が悪いとかの根本的設計に遡る問題を抱えており(そういう意味では凡作〜駄作に近い機体かも知れません)、艦載機としてより素性の良い F4F に取って代わられたのはやむなしという気がします。

フィンランドの冬戦争で本機が活躍できたのは改良前の軽量な B-239 だったこと、対戦相手のソ連機がまだ I-153, I-16 など若干古い世代の機体が主力を占めていたことが幸いしたのでしょう。B-239 の防弾装備が弱いことが大きな問題点となっていないのも、この時期のソ連機の主武装が 7.62mm 機銃だったことに助けられていると思います。

> 私個人としては紫雲はあの当時二重反転プロペラを実用化して実戦参加したというだけで、傑作機としたいところですが…。この記載にあたり各種の日本海軍の「偵察機」「水上機」についての解説本を見ましたが、機種一覧のなかに紫雲の名がないものや、記載自体が全くないものがままあります。ただコンセプトとかメカニズムには妙にそそられるものがありますね。どっかで1/48でプラモ出しませんかね。

メカニズムがユニークだとか、兎にも角にも実戦参加記録があるというだけで「傑作機」の称号を与えていたら、傑作機の大安売りになってしまいませんか?まぁ傑作だの駄作だの評論するのは個人の感性なので、正しいとか間違っているとか言っても始まらないですが…。
私としては「敵制空権下で活動できない水上艦載機の限界を、技術的革新で突破しようとした意欲作。当初の目的は果たせず企画としては失敗だったが、二重反転プロペラや引き込み式翼端フロート・緊急投棄式主フロートなど世界的にも類例の少ない機構を備えたユニークな機体だった」というような評論が妥当なところではないか、と感じます。

引用なし
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水上偵察機紫雲は傑作機か駄作機か 備後ピート 13/3/23(土) 19:43
┣ Re:水上偵察機紫雲は傑作機か駄作機か 指揮者の美奈 13/3/23(土) 21:54
┃┗ Re:水上偵察機紫雲は傑作機か駄作機か [名前なし] 13/3/24(日) 11:45
┃┗ Re:水上偵察機紫雲は傑作機か駄作機か 備後ピート 13/3/24(日) 12:03
┃┗ Re:水上偵察機紫雲は傑作機か駄作機か 通りすがり 13/3/24(日) 12:20
┃┗ ただの好事家なのですが 備後ピート 13/4/3(水) 23:13
┃┗ Re:ただの好事家なのですが 13/4/4(木) 5:38
┃┗ 私の立場は一体? 備後ピート 13/4/4(木) 6:53
┃┗ Re:私の立場は一体? 13/4/4(木) 7:34
┗ 失敗作。それだけのこと。 ささき 13/3/25(月) 16:53
┗ 当たる飛行機、当たらない飛行機 備後ピート 13/3/31(日) 22:35
┗ Re:当たる飛行機、当たらない飛行機 ささき 13/4/1(月) 7:17
┗ 紫雲と強風 青江 13/4/20(土) 0:37
┣ 同じことだと思いますが ささき 13/4/20(土) 21:12
┗ Re:紫雲と強風 13/4/21(日) 5:13
┗ Re:紫雲と強風 青江 13/4/23(火) 23:06
┗ 紫雲と強風は別もの、十四試リ号と十七試カ号も別もの 13/4/24(水) 5:47

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