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航空機は飛行場という固定地点に拘束されます。そして飛行場の場所は特に現代では隠しようがありません。つまり様々な手段によってその機能を妨害させられる危険があります。フォークランド紛争では島の飛行場を英軍の特殊部隊や長距離爆撃機が叩くことでその戦力を大きく削ぐことに成功していますし、アルゼンチン軍が夜陰に紛れて強行救援輸送しようとしたのを英軍フリゲートが阻止してます。戦域全てを見張り続けるのは航空機にはかなり困難な面があり、また斯様な封鎖突破船舶ですとレーダーに映ったからって問答無用で撃沈ともいきません。これは現在の海賊対策でも同じです。
また撃沈が許されても、航空機搭載対艦ミサイルが常に使える保証もありません。湾岸戦争でイランツアーのミサイル艇を発見した多国籍軍が、手近に爆装・対艦ミサイル装備機材がなく、戦闘機の機銃掃射でなんとかしたという事例があります。有史以来最上級の航空優勢と戦域管理下でありながらこういうことすら起きるわけで、常時航空機を待機・滞空させ続けるというのは極めて難しいのです。ちなみに湾岸戦争で航空機搭載対艦ミサイルで始末した事例はもちろんありますが、それは近在海域にあった艦船から発進したヘリコプターによるもので、艦船が近くにあったからできたともいえますね。
単純な物理的打撃能力でいうならば航空機で十分なのは第二次大戦以降変わりませんが、その場に居続けることが出来る、張り付くことが出来るという装備も一定規模必要なのです。
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