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早期警戒機+長射程AAMの組合せは、日本全国各地にSAMを攻撃側の兵力集中にも耐えうるだけの数を配備するよりは効率的でしょうが、やはり従来型戦闘機+早期警戒網の組合せには劣るものと思われます。
また、イスラエルにおいて早期警戒機+長射程AAMの組合せにより、戦闘機を削減しようとするのは同様に困難ではないかと考えます。
理由としては、イスラエルが敵国と陸続きであり、イスラエル上空を飛行する航空機は常にSAMの脅威を考慮する必要があると考えられるためです。
早期警戒機はその運用上、高空を飛行する必要がありますが、これでは容易に発見されてしまい、鈍重な早期警戒機は長射程SAMに容易に駆逐されてしまいます。
また、開戦当初より生起する陸戦を支援するために敵機は低空域にて活動すると想像されますが、これは早期警戒機からの監視効率を低下させるでしょうし、イスラエル側の地上戦支援機の行動を敵戦闘機の妨害から守ることも困難です。
(長射程AAMと長射程SAMの有効射程が五分だとすれば、イスラエル側戦闘機が削減された場合、イスラエル側長射程AAMの射程外で活動する敵戦闘機にフリーハンドを与えます。もしこれらの戦闘機にもそれなりの射程のAAMが装備されていた場合には厄介なことになるでしょう。)
私はイスラエル及び周辺国の国防戦略及び軍備については詳しくありませんが、イスラエルが相手国の領内で陸上戦闘を行う必要がある場合には、制空権の獲得に時間を要することになり、戦略的にも不適かと思われます。
(現在よりも航空支援が少ない中で地上軍が進軍しなければならない上に、確保した地域から確実に敵長射程SAMを掃討しなければならないためです。)
陸上戦闘の支援するという前提があるため、敵航空機を有効に制圧しうるか?という点に疑問符がつくため、作戦機を削減しつつ、空軍に求められる能力を保持するというそもそもの目的を達成できません。このため日本において一定数の早期警戒機+長射程AAMの組合せを配備するよりもイスラエルにおいて配備するほうが役立たないと評価されるものと想像します。
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