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十年前のロシア連邦カムチャッカ半島のロシア潜水艇事故に際しての国際緊急援助活動の際には、空輸されたイギリスの無人潜水艇「スーパー・スコーピオ45」と、米海軍の機材により、せっかく常識では考えられない緊急出港をした潜水艦救難母艦「ちよだ」は間に合わず、まんまと手柄を奪われてしまいました。米海軍では、いまだに大型輸送機でなければ空輸できない古い大型のDSRVを使用していて、空輸先で運用できるどんな艦船(VOO Vessel of Opportunity)からでも救難活動ができるように訓練をしています。英海軍は、大型で高性能のDSRVを空輸できませんので、小型のDSRVや無人潜水艇を緊急に空輸して、一番近い港のVOOから運用し続けるようです。
しかしながら、我が海上自衛隊の潜水艦救難のドクトリンは、これからも高性能の中型(?)のDSRVを、2隻の専用の救難艦から運用し続ける計画のようです。それら日本のDSRVは、VOOから運用できないばかりではなく、ちはややちよだのDSRVは、それぞれの母艦の専用艇であり、ちはやのDSRVをちよだで運用することすら不可能です。
対潜哨戒機の救助のために、長々距離の救難活動ができる専用の飛行艇まで自前で開発し続けているのに、どうして日本の潜水艦救難部隊は空輸できなくてもよいのでしょうか?潜水艦の隻数も増えてきて、たぶん活動海域もより広範囲になっていくと思うのですが、どうして空輸ができて、VOOから運用できるDSRVや減圧設備などを装備しないのか、不思議でなりません。たぶんAnsQで尋ねても、明確なソースは公表できないと思いますので、VOOか専用救難艦か、どっちがよいのか、利点や欠点をご議論していただいて、ご教授いただければさいわいです。なにとぞ宜しくお願い申し曲げます。
参考:International Submarine Escape and Rescue Liaison Office
http://www.ismerlo.org/
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