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4月に今年度予算で、「ちよだ」の後継の「多目的新型潜水艦救難艦」が292億円で三井造船が受注しました。
「ちはや」と同じくウェルに蓋がされるはずですので、「ちよだ」よりは速くなっていると思いますが、航空機にはかないません。以前より何度もネットなどで、「ちよだ」はまだ老朽化していないので後継艦は不必要だとか、not air transportableだから役にたたないとか、色々といわれてきました。
私の希望は:
1)優秀な日本の技術を駆使して、air transportableで、近くの適当な艦船(VOO)で運用できる、メイティングと加減圧チェンバーの救難システムを、直ぐに開発すること。もちろんダイバーは、飽和潜水も大気圧潜水も両方可能。
2)多目的にするために、C-17が買えるお金を使うぐらいなら、空輸専用の航空機と各国のVOOのリストを獲得して更新維持すること。
です。以前LR5と日本のDSRVの両方を操縦した方からお話を聞きましたが、空輸される能力が無いだけで、日本のDSRVの方が遥かに操作性は優れているそうです。もちろん両方の安全潜航深度は存じません。
もし多目的な救難艦がいるのなら、まずドンガラだけでよいから、多目的な病院船を用意しておく方が、遥かに能率が良いでしょう。多目的病院船の医療スタッフの全員が、制服組である必要はありません。日頃からボランティアを訓練しておけば良いだけです。南極観測船と同様、運用は一番適した組織がすればよいだけです。政府専用機はなぜか空自ですね。
もしこんな船が必要な場合は、日本の未曾有の国難なわけですから、医療スタッフも本業どころではないはずです。いつ必要になるのかわからないのに、高額の多目的潜水艦救難艦に、制服の医療スタッフまで常駐させて訓練しておくのは、もったいなさすぎます。
そんなことをするぐらいなら、米国のように、コーマンだけでなく、一般の水兵にまで、高度な医療技術の講習を受けさせておくべきでしょう。USSサンフランシスコや、USSコールでの死者があのくらいですんだのは、真っ暗な中で、負傷者の安定化に成功した、訓練を受けただけの水兵たちのおかげです。昔のように潜水艦に配属される予定の衛生兵を、海軍病院の外科部長が虫垂炎の手術ぐらいは一人でできるようにと、特訓したおかげで、規則を破って何度か手術に成功した時代とは違いますが・・・
特殊部隊は全く存じません(もしも会っていたとしても名乗らないでしょうし)が、米国陸軍でも最優秀歩兵章(EIB)を得るためには、高度な野外応急処置の試験があります。銃創を見たこともない日本の救急救命医よりも、戦場ではcasualtyの安定化に役立つかもしれません。残念ながら、日本では衛生科員に、救急救命士や準看以上の、高度医療の訓練を行うことすら、法律上不可能です。それを交渉する役目の今の衛生監は、東北大震災以降3月28日まで、一人も厚労省医系技官を現地に派遣しなかった責任者です。
蛇足ですが、米兵も命令されてEIBを獲得するのではないようです。一般兵士に負けた(EIBなど必要もない)特殊部隊員が、懲りずに何度も挑戦してくるそうです。
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