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> この過去ログでは
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> ・排気管径を小さくして流速を上げれば推力が増す。
> ・排気管径を小さくすればエンジン背圧が増して出力が低下するが、それを忍んでも小さくした方が全体としてパワーアップになる。
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> と書いているが、全く誤っている。
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> それなら、エンジンの膨張行程なんか必要ない。
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> 自分でそう考えたのか。
> 雑誌のインチキ記事を真に受けたのか。
軸出力の低下は、膨張行程の問題ではなく、排気管内圧の変化による給排気、あるいは掃気行程への影響の問題だと思います。
排気バルブの開きはじめからしばらくの間は、排気バルブ前後の圧力比が臨界値を超えているのでチョーク流れ、すなわち流速はマッハ1、600M/S程度、この流速でそのまま後方に排気して反動を利用するのが短い単排気管です。この場合、排気推力は時間的に不連続でパルス状に発生します。
排気が進むに従って、排気バルブ前後の圧力比は小さくなるので流速も小さくなる。
集合排気管、長い単排気管など排気管の体積を大きくとると、排気は内部で減速、圧力回復するので、出口面積を絞って再び加速して放出というアプローチもあります。この場合、出口面積と排気管の内圧の設定には任意性があります。
排気系の内圧が高いと充填効率が落ちるので、エンジン本体の出力は減少することになり、排気推力と軸出力はトレードオフの関係になります。
以上、研三の報告書あるいは昭和18年発行の「航空発動機」に出ている説明ロジックをなぞってみました。
NACAのレポートでは、排気管の出口面積を一番絞ったタイプで軸出力-10%,最高速は単なる単排気管モデルと同等、すなわち排気推力は出口面積を絞らない場合の倍程度という試験結果が出ていました。実際に排気推力と軸出力のトレードオフという現象は存在するのだとおもいます。
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