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「指揮・統制」はリアルにするのが難しいですね。
例を幾つかあげてみましょう。
1940年のフランス侵攻で、フランス軍はベルギーに大部隊を移動させました。その結果、それ以前にフランスで構築された電話線が完全に無駄になり、部隊との連絡のために一から電話線を引き直すことができないままドイツ軍の侵攻を受けたケースがあります。
移動する度に連絡不能なユニットが存在するということです。操作したくはないですね(苦笑い)
1941年の独ソ戦では、開戦直前にソ連軍でスタフカ命令2号というものが各部隊に通達されました。内容としては、ドイツを挑発しないようにドイツ軍が攻めてきても総司令部の命令があるまで交戦してはいけない、という感じのものです。
ユニットを動かすことや戦闘に参加させることができない。操作したくないですね(苦笑い)
その後、スタフカ命令3号で総反撃が通達されます。しかし、ドイツ軍の攻撃で壊滅したり、通信不可能な部隊が多くあり、戦況は誰にも分かりませんでした。全滅した師団に攻撃命令が出されたほどでした。さらに通信が分断され、総司令部命令、方面軍、軍団命令が矛盾したり、バラバラの順番で受け取った師団もあります。
敵どころ味方ユニットもどこにいるか分からない。(総司令部の)命令通りに動いてくれない。操作したくないですね(苦笑い)
また太平洋戦争のように空母11隻撃沈の報告が、空母1隻大破のみの現実と食い違うケース。戦略計画が前提から狂う戦果誤認は戦場の霧とは言え、厳し過ぎるでしょう。
このように細部を再現すると五里霧中で操作不能となってしまう予感がします。
指揮と機動力で優れるという要素も難しいものとなります。ドイツ軍初期の電撃戦は、まさにその要素が重要な鍵となりました。しかし、ドイツ軍が電撃戦で打ち破った相手は準備不足で指揮や機動力だけでなく火力も劣っていました。そもそも装備も定員も充足率を満たしていませんでした。混乱に陥った敵は、ドイツ軍の巧みな戦いで混乱に陥ったのか、それとも最初から混乱に陥るような状況だったのか難しいところです。
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