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ここはボードシミュレーションゲーム(以下ボードゲーム)にも詳しい方がいらっしゃられます。
ボードゲームでは、戦闘におけるカタログデータ以外の部分についての再現が試みられました。連絡線の設定による補給、士気、指揮、戦場の霧等々・・・しかし紙の駒では再現には自ずと限界があり、ボードゲームをやったことがある人なら誰でも「ねえ、このユニット補給切れてるんじゃない?」「あっ、気づかなかった!」という経験はあると思います。
特に戦場の霧については様々な試行錯誤があり、ダミーカウンターが多く用いられましたが、それでもある程度相手の動きの予想はできるもので、40年の西方電撃戦の「第七装甲師団が突破して今どこにいるんだか分からない恐怖感」を再現することはほぼ不可能です。
それに対して、パソコンを用いればそういったものの多くが負荷をかけることなく再現可能です。連絡線の設定も、コマンドコントロールの再現も、そんなに難しいわけではないです。
さらにインターネットやLANによる通信対戦機能を使えば「敵軍が見えない」という戦場の霧の再現も簡単か難しいかと問われれば「簡単」だと思います。
しかし、私もすべてのPCシミュレーションゲームをやったわけではないですが、「電撃戦が再現できるゲーム」というのにはまだお目にかかったことがありません。電撃戦の再現とは、ドイツ装甲師団がやたら強くて突破されるという意味ではなく、自軍部隊の通信連絡とコントロールが効かなくなり、現状の把握ができなくなるということです。アルデンヌにぽっかり穴が開き、味方部隊は四散し、各地から「ドイツ装甲部隊が現れた」と報告は入るものの規模も目標も把握できないという「麻痺状態」を再現したゲームは寡聞にして知りません。
空母戦ゲームにおいても、「沈めたはずのエンタープライズが都度復活している」なんてこともありません。タンカーと空母を見間違えたり、なぜか「攻撃部隊が敵艦隊を発見できずに戻ってきた」という現象が再現されることもまれです。攻撃部隊は、必ず敵艦隊を発見し、敵空母を沈めたかどうかはいつでも明らかです。
現実的には、戦車同士が対戦する、アニメ「ガールズパンツァー」みたいなゲームがほとんどです。これじゃタンクハンターと変わらないですよね。
これはなぜでしょうか。やはり日本のミリタリーマニアはカタログスペック命で、現実の戦争の再現ということには興味がないからでしょうか。特に信長の野望から何から、「士気」と「補給」という概念がまったく無視されるのはなぜなのでしょうね?
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