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> すると、フェニックスミサイルが有意義に活用できる場合というのは、かなり
> 限定的なわけで、F-14が退役してしまった理由にもなるのでしょうか。
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フェニックスミサイルは、味方艦隊あるいは味方の基地等を攻撃しようとする大型爆撃機を遠距離から撃墜することをねらって開発されたものです。
ミサイルそのものが、他の空対空ミサイルよりも高価でありましたので、高価で鈍重な大型爆撃機であれば問題なかったのですが、軽快な戦闘機や小型攻撃機相手では効果が薄く費用対効果も悪くなるものでした。
冷戦の終結に伴う大型爆撃機の減少、戦闘機の航続距離の拡大とマルチロール化により、戦略環境が変わったことが、フェニックスミサイルの退役につながりました。
なお、F-14の退役は、フェニックス母機としての存在意義が失われたのに加えて、可変翼機故のメンテナンスコストの高さが軍事費削減の環境にそぐわなかったこと、改造無しにはマルチロール化できなかったこと、などが理由です。
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> 長距離AAMなら発見、発射してすぐ離脱するだけなので、あまり機体の運動性は問題ないかも、と思います。
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フェニックスミサイルの初期型は、母機からの電波で中間誘導を行う必要があり、すぐには離脱できません。中間誘導を慣性誘導とする改良型のフェニックスミサイルのが出てからFire and forgetが出来るようになりました。
もっとも、その頃にはSu-27やMig-29等の航続距離の長く機動力のある戦闘機が出てきているので、長距離AAM装備のE-2では作戦は困難かと思います。
ちなみに、迎撃目的で鈍重な機体にミサイルを積んだ例としては、フォークランド紛争時に英国のニムロッド対潜哨戒機がサイドワインダーを積んだ事例がありますが、これが相手にしたのは偵察任務にあたったアルゼンチン軍の旅客機だそうです。すなわち、長距離を飛ぶ鈍重な相手だからこそ、英国も長距離を飛ぶ鈍重な機体を迎撃に繰り出した訳であり、これが戦闘機相手だと対空ミサイルを交わされた後で撃ち落される危険はあります。
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