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> おひさしぶりです、ささきさん。
> 本年もよろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
> さて一万メートルの高空から爆弾を落としてどれほど命中するのか、だーれも知らなかったので、あな恐ろし高高度爆撃ということになったのだと思います。
アメリカ国内の試験では、ノルデン式爆撃照準器を用いた高々度爆撃で良好な命中率を記録していたと伝え聞きました。ただ欧州戦線では天候不順による目標視認困難、太平洋ではジェット気流による機速過大で思ったような成果が上がらなかったわけですが、それもやっぱり結果論で、「そもそも高々度爆撃の脅威なんて幻想だとちょっと考えればわかること」とは言い切れないと思います。
> アメリカならいいんですよ。
> 千手観音みたいなものなので、目の前の火の粉をはらうのに懸命な一方で、二、三本の手でマージャンやっててもいいです。
R40C(XP-54, 55, 56) や XP-58 や XP-62 の右往左往と朝令暮改を見ると、戦争に勝ったアメリカでも(アメリカだからこそ?)こんなバカなことやってたんだなぁと思います。
> でもマンパワーも資材も限られた日本では、某社のごとく、「選択と集中」しなければならないと思うのです。
「選択と集中」したからこそ陸軍はキ84を、海軍は(少々遅きに失した感もありますが)紫電改を主力戦闘機として位置づけ大量生産を図ったのではないでしょうか?キ87や烈風改の試作作業がキ84や紫電改の量産を阻害したわけではないと思います。むしろ逆に、実戦機の大量生産が優先されたが故に試作機の工程が遅延したという話はよく聞きますが。
> あれもこれも、と総花式で欲張ることができないはずなのに、
> 立川飛行機なんか中島や三菱とは違ってどうせヒマなんでしょということでよくわからない与圧室なんぞやることになってしまった。
> 俺のいたとこだってそうなんだよ変テコなの押しつけられてさあ、戦時なんだから余計なことやめときゃいいのに、と満飛に勤めていた老先生に聞いたことがあります。
「無駄かもしれないもの」を発注された側から見ればそうなるのでしょうね。でも見方を変えれば、戦後のジェット機では与圧コクピットが一般化したわけですから、決して「戦闘機に与圧キャビンなど不要」と言い切れるわけでもないと思います。第二次大戦時に限っていえば、主要な戦闘高度や与圧キャビン搭載による重量・機体規模増加に対して得られる出力の収支が割りにあっていなかったと思いますが、それも「やってみなければわからない」話だったのではないでしょうか。
たとえジェットエンジンが実用化されなくとも、何らかの技術革新でブレイクスルーできたのかも知れないし、その時になって慌てて開発着手しているようでは「これらだから日本軍は想像力も先見性も無くて…」と批判することになりませんか?
> で、金持ちアメリカでさえ、ポラリスミサイル開発のとき、開発テーマが錯綜して、オペレーションズリサーチで切捨てしなければならない。
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> ORとまで気張らなくても、毒ガスや高高度爆撃がどれだけイタイのか、調べなかったのかなあ、と思います。
毒ガスの威力については第一次大戦の事例がよく知られていましたから、各国とも「使わないこと前提」でありながらも防御策と報復策にリソースを注いだのではないでしょうか。逆にもし、第二次大戦において「毒ガスは国際条約で禁止されているから絶対に使われることなんてない」と言い切ってガスマスクや解毒剤の備蓄も報復用の毒ガス研究も一切行わない国があったとしたら、私は逆にそちらの正気を疑います(悲しいことですけどね)。
高々爆撃については…大戦前の「密集編隊による防御火網の堅固さ(=戦闘機無用論)」や、その発想に基づいて作られた翼端援護機(G6MやYB-40)だの、逆に防御火網の死角から攻撃するための旋回銃座戦闘機(デファイアントやエアラクーダ)と似たようなところはあると思います。「成層圏飛行」が一種の流行語になって、近い将来は爆撃機も戦闘機もみんな成層圏を飛ぶようになるんだ(それは必ずしも間違いではない…その「近い将来」を5年後とするか10年後とするかで答えが変わりますが)と思い込んでしまった節はあるかと思います。
ただ繰り返しのようになってしまいますが、それもやっぱり結果論だから言えることではないでしょうか。ノルデン照準器だけでは高々度精密爆撃を完成させることはできませんでしたが、他のブレイクスルーの可能性…たとえば誘導爆弾は複数国で複数の方式が試作され一部は実戦投入までされていました。それが文字通りの「精密爆撃」を実現するのには更に長い時間…レーザー誘導爆弾の実用化まで待たなければなりませんでしたが、1940年の段階で「実用に耐える精密誘導爆弾は20年以内には実用化されない」と言い切るのは不可能ではないかと思います。
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