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近接航空支援を忌避する空軍、空軍に近接支援をさせようとする地上軍(と政治) にも。 16/1/5(火) 20:59
┣ Re:近接航空支援を忌避する空軍、空軍に近接支援をさせようとする地上軍(と政治) BUN 16/1/5(火) 23:42
┣ 一体何がしたいのか 雇われ管理人@力の2号 16/1/6(水) 0:51
┗ 1134からRe:近接航空支援を忌避する空軍、空軍に近接支援をさせようとする地上軍 にも。 16/1/21(木) 21:17
┗ Re:1134からRe:近接航空支援を忌避する空軍、空軍に近接支援をさせようとする地上軍 BUN 16/1/22(金) 22:23
┗ 空軍は近接航空支援を蔑ろにする にも。 16/1/24(日) 19:38
┗ 「空軍は近接航空支援を蔑ろにする」ツリーを立てました にも。 16/1/26(火) 11:28

近接航空支援を忌避する空軍、空軍に近接支援をさ...
 にも。  - 16/1/5(火) 20:59 -
  
BUN氏のいろいろクドい話が復旧しました。BUN氏は此処で戦間期→WWIIの米陸軍航空隊→航空軍の「攻撃機」を例に、近接航空支援を忌避する空軍と空軍に近接支援をさせようとする地上軍との相剋を論じています。

http://stanza-citta.com/bun/2008/06/05/84

http://stanza-citta.com/bun/2008/06/06/85

以下は私が更に要約・加筆したものです。

1.第一次世界大戦で米陸軍は敵前線を攻撃する機体の必要性を知った。

2.陸軍が麾下航空隊の攻撃機に要求する任務は敵前線の攻撃である。

3.しかしその陸軍航空隊内部では敵前線への攻撃は損害多く効果少ない、一方で敵後方への攻撃は効果多く損害少ないのでこれを攻撃機の任務とすべきと考えていたが、陸軍本体からの要請と相反するため内部での非公式な意見に留まった。

4.結果、米陸軍航空隊→航空軍の攻撃機には、陸軍本体の要求である前線攻撃に応じた安価だが低性能の単発機と、航空軍が本来必要だと判断する後方攻撃用の高性能だが高価な双発機とが、Aナンバーのカテゴリーの中で一緒くたに混在してしまう。
日本陸軍は昭和十一年度計画で従前の軽爆撃機を「襲撃機」と「双発軽爆撃機」に分けた。

5.スペイン内戦や大戦初期の戦訓で、空中の敵機を追いかけて撃墜する事を任務として開発されたカテゴリーの機体即ち「追撃機」の方が、陸軍本体が攻撃機に求める前線攻撃という任務をも、専任の攻撃機(≒安価だが低性能の単発機)より効果的に果たせる事が判った。

6.追撃機と攻撃機を統一すれば両者を同じ機材で賄える。
実際には追撃機が複種類投入される為、空中で敵機を追いかける能力つまり空戦性能そして航続力に秀でた追撃機を、爆撃機・後方攻撃(→阻止攻撃)機への対空援護、制空、邀撃、等の追撃任務に宛て、空戦性能そして航続力に劣る追撃機は攻撃機として前線攻撃(→近接航空支援)に充てる、と使い分けられる。

7.戦後米陸軍航空軍は独立し米空軍となる際に、我の劣勢時には全力で空中の敵機を追撃し、我の優勢時には全力で地上の目標を攻撃する、と限られた戦力を柔軟に効率的に使う為、追撃機と攻撃機とを統合して「戦闘機」というカテゴリーを制定した。
戦闘機の「戦闘」とは空対空戦闘と空対地戦闘の両方を指し、米空軍の「戦闘機」とはこの両方の用途に向けた機体を包摂する概念である。

8.新カテゴリー「戦闘機」は朝鮮の局地で近接支援のみ為らず阻止攻撃に於いても威力を発揮した。
そして威力の大き過ぎる核兵器を手にした大量報復戦略下の戦術空軍では、後方への攻撃→阻止攻撃こそが「戦闘機」の任務であるとしてそれを最大限に拡大する一方で、前線への攻撃→近接航空支援を戦術空軍の任務とする事を忌避する様になった。

一先ず此処迄
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Re:近接航空支援を忌避する空軍、空軍に近接支援を...
 BUN  - 16/1/5(火) 23:42 -
  
最初はともかくも、後半部分は私の書いた内容とは大きく異なります。
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一体何がしたいのか
 雇われ管理人@力の2号  - 16/1/6(水) 0:51 -
  
ここは何時から私用のブログになったのか。
意見表明だけなら鳥町で自分の部屋を作るか他所でブログでも立ててください。
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1134からRe:近接航空支援を忌避する空軍、空軍に近...
 にも。  - 16/1/21(木) 21:17 -
  
>21.
私は>1.でBUN氏の記事を紹介しました、其処に答えが書かれています。お読みに為られましたか?
私はBUN氏の記事を踏まえ>6.〜>10.及び>20.のリンク先で私なりの解釈と要約を行いました。ご覧になりましたか?

WWIIに参戦し米陸軍航空軍が再軍備する時点で、地上軍前線の敵軍に攻撃を行う機種には二つの選択肢が在りました。
1.1920年代以来、陸軍本体が麾下の航空隊→航空軍に装備させていた(しかし航空隊内部では内心忌避していた)「安価で低性能」な(概ね単発複座の)攻撃専任機。
2.大戦初期の戦訓で見出された、空中の敵機を追いかけて撃墜する事を任務とする機種(航空軍では「追撃機」と呼称)に、敵地上軍(先ず敵地上軍前線)への攻撃をも兼任させる。
参戦・再軍備の過程で、後者がより効率的だと判断されたので前者を切り捨てた。以上。

BUN氏の記事を挙げたものに限らず通読すれば、当時の当事者がどのような理路でそう判断したか理解出来ると思うのですが、貴方方は違うのでしょうか。
にも。
「空軍は近接航空支援を忌避する」

・敵陣地への航空攻撃は効果が少なく損害が極めて大きい。
・敵後方への航空攻撃は効果が大きく損害が比較的小さい。
・攻撃機は砲兵の代用品ではない。
・攻撃機は砲兵の射程距離外でこそ活躍すべきである。
・攻撃機は敵後方の兵員の殺傷に最も適している。
・重要目標は移動する予備軍、砲兵の隊列、補給部隊、通信拠点などである。
・攻撃機の最も有効な用法は敵戦線の後方で実施される航空阻止攻撃である。
・航空兵力の用法は敵前線への分散投入ではなく敵戦線後方の適時、適所への大量集中投入が最も望ましい。

>1.で挙げた、米陸軍航空隊→航空軍に於ける「攻撃機」(Aナンバー)の変遷の理由を考察した記事でBUN氏は、「空軍」が自身の戦果を最大化し、損害を最小化し、そして自身の「作戦の自由」を確保するには、敵前線での攻撃任務には成る可く関わらない、限られた資源は敵後方への攻撃に最大限投入する、之が「空軍」の組織利害だと論証しました。そして之は対立する二番目の法則を導き出します。

「地上軍、或は政治(文民・文官)は、空軍に近接航空支援をさせようとする」

私は之の二つを、国や時代を問わない空軍と近接航空支援についての一般則だと考えます。
にも。

P-40を再空冷化せず撃たれ弱い液冷の儘にしたとか、そしてP-47の胴体を再設計せず複雑高価な排気タービン過給器を付けた儘にしたとか、或は空軍独立後ですが朝鮮で撃たれ弱いP-51を投入したとか、米陸軍航空軍の追撃攻撃機(戦闘爆撃機)はおしなべて対地攻撃任務に最適化されておらず無駄が多い、その点Fw190やF4U→AUコルセア、或はADスカイレーダーは無駄無く対地攻撃に最適化されているとは多くの人が思う印象ですが、此処で空軍の組織利害を考えましょう。

「空軍は近接航空支援を忌避する」

航空軍の対地攻撃任務に当たる追撃機が、追撃の際には有効だが攻撃の際には不要邪魔な装備を付けて供給され続けるのには、近接航空支援から何時でも逃げてやるという「空軍」の意思が在るのかもしれません。
ドループスヌートによる嚮導を受けるならP-47等もターボの効く中高度から水平爆撃する阻止攻撃機に成り得ます、ベトナムでF-105がRB-66に嚮導され水平爆撃を行った様に。空軍にとっては、其の方が余程、低空に降り地上の前線部隊の指示する目標を攻撃させられるよりも正しい、P-47の使い方なのです。
況て、安価で小型だが飛行性能が低く敵機から近接航空支援から逃げる事が出来ない専任の攻撃機は、空軍の組織利害にとって最も忌むべきものです。例え其の方が近接航空支援に有効であっても、空軍はそんな機体を装備したくないのです。

「地上軍、或は政治(文民・文官)は、空軍に近接航空支援をさせようとする」

二番目の法則の出番です。
にも。
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Re:1134からRe:近接航空支援を忌避する空軍、空軍...
 BUN  - 16/1/22(金) 22:23 -
  
内心考えていたというようなものではありません。

けれども第二次大戦では近接航空支援は航空部隊にとって最も重要な作戦として
戦術的、組織的な改善と発達が進みます。

戦争後期に航空支援は砲兵と統合された火力支援の一要素として
再構成されています。
航空部隊にとって存在意義をかけて改良して実力を示す必要のある分野に変わります。

近接航空支援は事実上、第二次大戦中最も重要な戦術として扱われているのです。
そこを間違えて推論だけを展開しては何にもなりません。
引用なし
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空軍は近接航空支援を蔑ろにする
 にも。  - 16/1/24(日) 19:38 -
  
確かに「忌避する」では正確では無い為、表現を改めます。
「空軍は近接航空支援を蔑ろにする」とは、

「空軍は近接航空支援を自らの職掌であると主張しその任務を独占しようとするが、
しかし同時にその近接支援任務には近接支援より寧ろ航空阻止や空対空戦闘に適した高性能高価な機種を充てがおうとし、
近接航空支援に最適化された、例えば低性能だが廉価で耐弾性の高い機体の導入は徹底して拒み退ける」

という「空軍」の組織原理を指し名付けました。診られる機種選択の傾向が
「空軍は(自らの職掌だとしているが実は)近接航空支援などしたくない。だから、それから「逃げられる」性能の機種を選択し、そこから「逃げられない」機体の導入を拒否する」
という「空軍の無意識」を示唆するものだからです。

実際に地上戦を行い「戦場の現実」に直面する・或はした直後の時期には地上軍と政治(文民・文官)は空軍に真剣に近接航空支援をさせようとし空軍もそれなりにそれに答えます。

しかし地上戦が無く仮想敵国との軍備競争が交戦無しに行われる時期には空軍の組織原理が表に立ち、近接航空支援を自らの職掌と主張しながら実際にはそれを蔑ろにします。

私が「米陸軍航空軍は戦闘機を装備していない、装備しているのは追撃機だ」と云うのは
後段の「米空軍の「戦闘機」とは攻撃機と追撃機を統合したカテゴリーだ」という段に繋げる為です。
BUN氏が紹介された、陸軍航空隊→航空軍時代の航空隊内部での後方攻撃ドクトリンと陸軍本体が要求する前線攻撃ドクトリンとの対立を踏まえれば、F-105の様なSBの直系、果てはF-111の様な戦略爆撃機迄務める機体を「戦闘機」のカテゴリーで装備する米戦術空軍の論理が内在的に理解出来るのです。
「戦闘機とは空対空戦闘をする機種だ、だから米軍の戦闘爆撃機はおかしい」と唱える愚者を予め論駁する為でもあります。
引用なし
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「空軍は近接航空支援を蔑ろにする」ツリーを立て...
 にも。  - 16/1/26(火) 11:28 -
  
ツリータイトルも改めた方が良いと判断しました。以下の議論は下記で
http://www.warbirds.jp/BBS/c-board/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=4802;id=
引用なし
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