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確かに「忌避する」では正確では無い為、表現を改めます。
「空軍は近接航空支援を蔑ろにする」とは、
「空軍は近接航空支援を自らの職掌であると主張しその任務を独占しようとするが、
しかし同時にその近接支援任務には近接支援より寧ろ航空阻止や空対空戦闘に適した高性能高価な機種を充てがおうとし、
近接航空支援に最適化された、例えば低性能だが廉価で耐弾性の高い機体の導入は徹底して拒み退ける」
という「空軍」の組織原理を指し名付けました。診られる機種選択の傾向が
「空軍は(自らの職掌だとしているが実は)近接航空支援などしたくない。だから、それから「逃げられる」性能の機種を選択し、そこから「逃げられない」機体の導入を拒否する」
という「空軍の無意識」を示唆するものだからです。
実際に地上戦を行い「戦場の現実」に直面する・或はした直後の時期には地上軍と政治(文民・文官)は空軍に真剣に近接航空支援をさせようとし空軍もそれなりにそれに答えます。
しかし地上戦が無く仮想敵国との軍備競争が交戦無しに行われる時期には空軍の組織原理が表に立ち、近接航空支援を自らの職掌と主張しながら実際にはそれを蔑ろにします。
私が「米陸軍航空軍は戦闘機を装備していない、装備しているのは追撃機だ」と云うのは
後段の「米空軍の「戦闘機」とは攻撃機と追撃機を統合したカテゴリーだ」という段に繋げる為です。
BUN氏が紹介された、陸軍航空隊→航空軍時代の航空隊内部での後方攻撃ドクトリンと陸軍本体が要求する前線攻撃ドクトリンとの対立を踏まえれば、F-105の様なSBの直系、果てはF-111の様な戦略爆撃機迄務める機体を「戦闘機」のカテゴリーで装備する米戦術空軍の論理が内在的に理解出来るのです。
「戦闘機とは空対空戦闘をする機種だ、だから米軍の戦闘爆撃機はおかしい」と唱える愚者を予め論駁する為でもあります。
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