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これは面白い見かたですね。
でも、欧州各国の空軍はそれなりの予算がついている。
どうしてなのか、といえば、欧州の空軍は陸軍航空隊そのものだからです。
第一次大戦で攻勢の為に大規模集中を実現するには
野戦軍司令部単位に分属した航空部隊では広範囲の機動集中ができず、
野戦軍から独立した総司令部の戦略予備として
直轄の戦闘機隊や爆撃機隊を多数抱えることになります。
ドイツもフランスもこうして空軍の基礎ができたのです。
陸軍が戦略的攻勢に出るために必須の部隊として空軍が作られているので
欧州空軍は必要があると簡単に陸軍の野戦軍司令官の指揮下に入ってしまいます。
本質的に陸軍航空隊だからです。
だからこそ、空軍の創設に抵抗が少なく予算面で冷遇されることもなく済んでいます。
この時代の「独立空軍」は基本的に陸軍に隷属する航空部隊のことです。
また、日本で検討された陸海軍の機種共用、協同試作は
戦争後半の守勢局面で陸軍も海軍も同じような邀撃戦闘を始めたからですが、
機種の共用や相互の融通はそれ以前から行われています。
昭和十年代の陸海軍の機種共用構想の背景には
はどちらかに足りない機種を補い合う、という目的のほかに
機種を統一しておけば
「相手の予算を分捕ることができれば、
一方が装備する陸軍または海軍型の軍用機を一方がそのまま使用できる」
という目論見があります。
陸軍も海軍も
何かを合理化しよう、という考え方だけでやってる訳じゃないんです。
独立とか統一とか言えば何となく素敵な感じがしますが、
そんな理想的なお手本は世界中の何処を探しても無いんですよ。
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