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日本空軍 E 14/8/13(水) 21:23

統一しないことの強さ BUN 14/8/24(日) 4:58
┣ おっしゃりたいことは理解できていると思います おうる 14/8/24(日) 12:46
┃┗ 百害あって一利なし BUN 14/8/24(日) 16:28
┣ 戦時と平時 じゃま 14/8/24(日) 18:42
┗ Re:統一しないことの強さ とおり 14/8/24(日) 19:13
┣ どちらかに統一してはいけない BUN 14/8/25(月) 6:45
┃┗ Re:どちらかに統一してはいけない とおり 14/8/25(月) 20:27
┃┗ 現実にあった危機 BUN 14/8/25(月) 23:46
┃┣ ノモンハンの戦訓 薩摩 14/8/25(月) 23:57
┃┃┗ Re:ノモンハンの戦訓 14/8/26(火) 7:00
┃┃┗ Re:ノモンハンの戦訓 薩摩 14/8/27(水) 0:46
┃┃┗ Re:ノモンハンの戦訓 14/8/27(水) 5:47
┃┣ これはむずかしい じゃま 14/8/27(水) 6:56
┃┃┗ Re:これはむずかしい おうる 14/8/30(土) 9:36
┃┃┗ やはりむずかしい じゃま 14/8/31(日) 5:32
┃┃┗ あんまりこの手の話はしたくないんですが・・・ おうる 14/8/31(日) 22:07
┃┃┗ そうでもない じゃま 14/9/1(月) 18:28
┃┃┗ こら、 BUN 14/9/1(月) 22:05
┃┗ Re:現実にあった危機 とおり 14/8/30(土) 21:49
┃┣ Re:現実にあった危機 nounasi 14/9/2(火) 13:57
┃┗ そんなに速くなかった零戦 14/9/3(水) 16:17
┃┗ Re:そんなに速くなかった零戦 とおり 14/9/3(水) 20:47
┃┗ 零戦は「艦上機」という特殊な立場 14/9/4(木) 6:13
┃┗ Re:零戦は「艦上機」という特殊な立場 とおり 14/9/6(土) 18:03
┃┗ それは2000馬力ではなく2200馬力なのかも 14/9/8(月) 14:49
┃┗ Re:それは2000馬力ではなく2200馬力なのかも とおり 14/9/13(土) 21:38
┗ 恐ろしいことを 14/8/25(月) 15:34
┗ Re:恐ろしいことを とおり 14/8/25(月) 20:07
┣ Re:恐ろしいことを 14/8/26(火) 9:37
┃┗ Re:恐ろしいことを とおり 14/8/26(火) 20:01
┃┗ Re:恐ろしいことを 14/8/27(水) 5:28
┗ Re:恐ろしいことを どざえもん 14/8/26(火) 19:34

統一しないことの強さ
 BUN  - 14/8/24(日) 4:58 -
  
戦時中の軍用機増産を阻んだ最大の要因は発動機生産で、
これは機体製造会社を増やそうが減らそうが変わりません。
たかだか最終組み立て工程に過ぎない「生産ライン」など
下請の部品生産の上に立っているだけですから、何本になろうが関係ないのです。

そして機種の統一は良い事ばかりではなく、
新機材への更新が滞るという欠点もあります。
長期の総力戦を戦うのであれば機種を統一してはいけないのです。

航空工業を総動員して機体製造会社各社で同じ機種を造り続けたドイツでは
後継機のFw190が完成しても旧式化したBf109の量産を
生産切換えによる完成機数の落ち込みを回避するために、
量産を止めようとしてもいつまで経っても止められず、
その結果派生型ばかりが増えてかえって効率が低下しただけでなく、
今度はその統合に悩む結果となっています。

機体は零戦と隼が両方とも全力で生産されている傍らで
次期戦闘機が陸海軍バラバラで幾つもの機種が量産されつつある、
といった史実の状況の方が有利なのです。

飛燕が無ければ隼から疾風への生産転換ができませんし、
紫電が無くて雷電一本だったら、
戦争後期の戦闘機生産はさらに迷走したでしょう。

空軍化すればよい、
機種統一すればよい、
といった仮説はこんな点を見落としているのではないでしょうか。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; WOW64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chr...@KD118152108004.ppp-bb.dion.ne.jp>

おっしゃりたいことは理解できていると思います
 おうる  - 14/8/24(日) 12:46 -
  
> 戦時中の軍用機増産を阻んだ最大の要因は発動機生産で、
> これは機体製造会社を増やそうが減らそうが変わりません。

 首なし飛燕の例もありますね。


> 航空工業を総動員して機体製造会社各社で同じ機種を造り続けたドイツでは
> 後継機のFw190が完成しても旧式化したBf109の量産を
> 生産切換えによる完成機数の落ち込みを回避するために、
> 量産を止めようとしてもいつまで経っても止められず、
> その結果派生型ばかりが増えてかえって効率が低下しただけでなく、
> 今度はその統合に悩む結果となっています。

 戦前に日本でT型フォードを生産していた工場は、T型の生産終了と次期モデルへの転換の際、設備更新と工員の訓練のために半年だか1年だか操業を完全に停止しました。現代の常識からすれば考えられないことですが、当時の大量生産技術ではそういうものだったのでしょう。
 複数の生産ラインで生産しているものを、生産規模を維持したまま機種転換していこうとすれば生産ライン1本ずつ順次転換するしかなく、全体の機種転換期間は生産ライン数×転換期間になってしまいます。
 仮に生産ラインの転換に半年を要し、10本の生産ラインで並行生産しているとしたら、機種転換完了まで5年もかかることになってしまいます。
 その間、旧式機はマイナーチェンジによって派生型を増やしながら性能水準を維持しつつ生産を継続することになるので、おっしゃるように旧式化したBf109が10回を超えるマイナーチェンジを繰り返しながら生産され続けるとうような事態は必然的に発生してしまいます。
 そうなると、1機種を担当する生産ラインは少ない方が機種転換がスムーズに行え、生産規模や空襲被害リスク軽減を考えて複数の生産ラインで並行生産するとしても、せいぜい3〜5本もあれば十分ということになります。1機種の生産ライン4本で生産ラインの機種転換期間が半年、生産ラインを1本ずつ機種転換し続けるとすると、旧式機から現行機へ機種転換を開始し、現行機から次期機へ機種転換して生産終了するまで3年半〜4年。1つの軍用機がマイナーチェンジしながら前線で運用される期間としては順当と言えそうです。

 戦闘機の開発期間(開発開始から量産開始まで)が当時でだいたい4〜6年ですから、仮称戦闘機Aが量産開始してから次期戦闘機Bを開発開始、5年で開発を完了して機種転換を開始すると機種転換完了まで7年。さすがに一つの機種を前線で運用するには長すぎる。で、2機種を同時に運用することで開発期間分のタイムラグを圧縮すれば、最新の機体を1機種当たり3〜4年ぐらいずつ、無理のない範囲でマイナーチェンジを繰り返しながら前線に配備し続けることが可能になる。

 複数機種の並行運用は確かに無理に機種統一するよりも優位・・・というより、開発期間や機種転換期間を考えると開発期間の異なる2〜3機種を並行生産&運用するのは必然ということになります。

(なお、生産ラインの転換期間が半年というのはあくまでも話を単純化するための仮定です。当時の航空機生産ラインの機種転換に実際にどれくらいの期間が必要だったのかは存じません。)


> 機体は零戦と隼が両方とも全力で生産されている傍らで
> 次期戦闘機が陸海軍バラバラで幾つもの機種が量産されつつある、
> といった史実の状況の方が有利なのです。

 問題になっているのは、そして統一すべきとされているのは、同じような時期に開発した複数の機種を陸軍と海軍で別々に並行生産&運用している点でしょう。
 要求しているモノが違うのだから同じ〇〇機でも違う機体にならざるを得ないというのは仕方がありませんが、統一可能な、しかも同じような開発時期の機体が別々に発注されることの無駄を無くせなかったのか?という点と、陸海軍の異なる機体を両者が融通しあうことができたのではないか?という点が本スレの主題であると思います(で、後者についてはすでに答えは出されていると認識しています)。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.2; WOW64; rv:31.0) Gecko/20100101 Firefox/31.0@FL1-118-110-127-67.tcg.mesh.ad.jp>

百害あって一利なし
 BUN  - 14/8/24(日) 16:28 -
  
そういった計算にななりません。
「生産ライン」といったものはどうでもいいのです。

例えば隼なら太田の最終組立工程では完成した主翼や胴体、
補助翼その他の部分が組み上げられるだけです。
それらの多くは社外からやって来ます。

最終組立工程を頂点とした下請体制があるので
大規模に量産しているものほど切換えが大変だということです。
組立ラインが何本ある、ということは大した問題ではありません。

そして機体は戦時消耗を年間200%〜300%見込んで製造されています。

このように戦時の軍用機、なかでも単座戦闘機は実に短命な消耗品ですから
陸軍と海軍がそれぞれに望む機種を造っていれば良いのです。

統一して、どちらにも不満な機種を装備する必要はなく、
統一した場合のメリットは無い、ということです。

極端に言えば、
発動機の増産さえ順調なら基本的に板金仕事の機体は幾らでもできるので
新機種への切換えという問題さえクリアできればよく、
その妨げになる機種統一は百害あって一利無し、なのです。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; WOW64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chr...@KD118152108004.ppp-bb.dion.ne.jp>

戦時と平時
 じゃま  - 14/8/24(日) 18:42 -
  
> 機体は零戦と隼が両方とも全力で生産されている傍らで
> 次期戦闘機が陸海軍バラバラで幾つもの機種が量産されつつある、
> といった史実の状況の方が有利なのです。

 これは、システム工学や情報工学でいう、「冗長性」の大きな系ですね。
 
 すべての車両が「クモ」であるような鉄道会社を想定すると、

 ■輸送量の変動が空間的、時間的に変動する場合(戦時)
  状況に応じて編成を組み替えやすくなるので、柔軟に対応できる。

 ■輸送量の変動が無いか、予測できる場合(平時)
  無駄が多い。

 戦時と平時では、異なった系が要求されるのではないか。

 九七式戦闘機も九六式艦戦闘機も、競争試作の上で一機種に絞っていますが、
開戦後は次々に要求が出てきて、ああいうことになったのではないかと思います。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko@aa20111001946f573a11.userreverse.dion.ne.jp>

Re:統一しないことの強さ
 とおり  - 14/8/24(日) 19:13 -
  
> 戦時中の軍用機増産を阻んだ最大の要因は発動機生産で、
> これは機体製造会社を増やそうが減らそうが変わりません。
> たかだか最終組み立て工程に過ぎない「生産ライン」など
> 下請の部品生産の上に立っているだけですから、何本になろうが関係ないのです。
>
> そして機種の統一は良い事ばかりではなく、
> 新機材への更新が滞るという欠点もあります。
> 長期の総力戦を戦うのであれば機種を統一してはいけないのです。
>
> 航空工業を総動員して機体製造会社各社で同じ機種を造り続けたドイツでは
> 後継機のFw190が完成しても旧式化したBf109の量産を
> 生産切換えによる完成機数の落ち込みを回避するために、
> 量産を止めようとしてもいつまで経っても止められず、
> その結果派生型ばかりが増えてかえって効率が低下しただけでなく、
> 今度はその統合に悩む結果となっています。
>
> 機体は零戦と隼が両方とも全力で生産されている傍らで
> 次期戦闘機が陸海軍バラバラで幾つもの機種が量産されつつある、
> といった史実の状況の方が有利なのです。
>
> 飛燕が無ければ隼から疾風への生産転換ができませんし、
> 紫電が無くて雷電一本だったら、
> 戦争後期の戦闘機生産はさらに迷走したでしょう。
>
> 空軍化すればよい、
> 機種統一すればよい、
> といった仮説はこんな点を見落としているのではないでしょうか。

ここでいろいろな視点が混在していますが、生産面での統一を述べている方は、
生産をより規格化・合理化できたら効率が上がると考えていると思われます。規格
化という概念があればですが。人的・物的リソースに余裕ができれば発動機生産に
回せるかもしれません。ちなみにその時期は開戦後では遅すぎるでしょう。
また、開発も統一してしまえば単純に頭脳が二倍になり(メーカーまで含め陸海軍の頭脳を結集すれば)、さまざまな問題の解決もスピードアップされるのでは、と誰しも考えます。

機種に関しては、例えばいくら改修しても隼を空母では使えないでしょうか?
私は恐らくですが、使えるようになると思います。つまり、陸海別々に機種を開発
したところで実は大同小異、機種統一してしまっても小さな改修程度で大きな問題は起きないように思うのです。過去ログの受け売りですが、全部海軍機ベースで良
いのではないでしょうか。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; WOW64; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko@235.44.30.125.dy.iij4u.or.jp>

どちらかに統一してはいけない
 BUN  - 14/8/25(月) 6:45 -
  
>全部海軍機ベース

海軍機用に特化した設計が全て無駄または欠陥につながりますから、
統一すれば弱くなるよ、と申し上げております。

例えば19年9月の栄欠陥騒動で全軍の戦闘能力が喪失してしまいます。
マニアからあれこれ言われる、栄20型とハ115に互換性が無いことで
実際に危機が回避されているのです。

大陸戦線用の第一空軍向け戦闘機が2、3機種、
洋上航空戦用の第二空軍向け戦闘機が2、3機種、
それぞれに存在する、と考えることさえできれば、
空軍統一問題など、政治の話なのだと諦めがつくことでしょう。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; WOW64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chr...@KD118152108004.ppp-bb.dion.ne.jp>

恐ろしいことを
   - 14/8/25(月) 15:34 -
  
> 全部海軍機ベースで良
> いのではないでしょうか。


四式戦なしで雷電とその性能向上型のみで戦え、ということになってしまうのですが。
ぞっとしません。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/36....@FL1-122-135-153-50.tky.mesh.ad.jp>

Re:恐ろしいことを
 とおり  - 14/8/25(月) 20:07 -
  
> > 全部海軍機ベースで良
> > いのではないでしょうか。
>
>
> 四式戦なしで雷電とその性能向上型のみで戦え、ということになってしまうのですが。
> ぞっとしません。

全くもって仮定の話なので、細かい機種についてはなんとも言えません。
また例えばフィリピンなどで実働していた四式戦が52型を実際の空戦ではるかに凌駕していたかは大いに疑問です。さらに、陸海共同開発・改良すれば史実より良い
ものができるとは誰しも期待するところでしょう。


ちなみに私が受け売りしたのは下記です。

*********以下全文引用します。

■題名 : 海軍航空式独立空軍の使用機材は海軍式
 ■名前 : 片
 ■日付 : 06/9/1(金) 4:25
 -------------------------------------------------------------------------
  現実に、おっしゃるような観点にほぼ近い理由を述べて空軍と空軍省設立の提案は行われています。この提案は陸海軍航空の有志将校によってなされましたが、海軍の大部はこれに批判的でした。

なぜか。

一連の軍縮条約以降、海軍は航空主兵にすでに転換しつつあったからです。予想される米海軍との戦いで、航空兵力は絶対的に必要なものになっていました。大艦巨砲主義なんて、すでに八八艦隊を亡き者にした軍縮条約で否定されていたのでした。


もし、仮に、こうした趨勢を背景にした上で、空軍設立が果たし得たとしたら、それは海軍航空隊に陸軍航空隊を吸収した形のものになったでしょう。搭乗員には洋上航法の訓練が徹底され、使用機材は洋上決戦に適した機体である、というように。

先にあげた史実の空軍設立提案でも同じようなことが述べられています。海軍作戦で使用できる機材/人員ならば、陸軍作戦にも十分兼用できるだろう、と。(その逆は無理です)


したがって、設立可能な独立空軍の使用機材は、史実の海軍航空の使用機材の特徴を有することになったことでしょう。その主な特徴とは、長大な航続力です。

Ans.Qで一式陸攻の大きさが指摘されていましたが、海軍の双発陸攻は翼幅25m、陸軍重爆は20m程度が標準でした。この差は、主として要求される航続力によります。

>海軍が無茶な要求をメーカーにして余計に航空開発に遅延をもたらした考える

とおっしゃいますが、海軍機の機体設計者にとって何が負担だったかといえば、搭載量の多さでした。長大な航続力を実現するための燃料容積です。

しかし、独立空軍の使用機材にもこれらの特徴は受け継がれなくてはなりません。


>B29クラスの大型爆撃に国をあげて開発着手して連山誕生がもう少し早まったんじゃないでしょうか


これも、洋上決戦用の四発大攻ということになります。それを陸軍航空的な純正空軍的用法にも兼用しようという形に。

これは史実とまったく変わりません。海軍は最初の四発大攻として深山を試作し、これを陸軍でもキ85超重爆として採用しようとしていました。陸軍は、超重爆の開発を海軍に依存していたのです。そして、海軍はその開発をアメリカで始めて登場した四発旅客機の機体設計に依存していました。昭和10年代の前半において四発攻・爆撃機の試作能力は、国を挙げてもそのような水準でした。こうしたステップを踏んだ上での連山ですから、その出現は大して早まることはなかったでしょう。


史実では、最終的に陸軍航空も雷撃機を装備する必要性に迫られ、海軍の天山の使用を考え、四式重爆を雷撃機に改造し、搭乗員の航法教育を海軍に委託しています。

もっと以前に空軍が設立されていたとしたら、四式重爆は誕生していません。

一式陸攻とその後継機泰山を使うことを考えるしかなかったでしょうが、泰山は、用兵上の搭載量要求が当時の日本の工業技術だけでは実現できず、ドイツの工作機械に頼ろうとして独ソ戦のためにこれが駄目になったという機体です。

例え独立空軍が誕生していたとしても、日本の航空機技術が根本のところで米・独など海外に依存していたという現実にはなんら代わりがなく、しかし、開発される機体のすべてに、海軍的な要求が課せられることになっていたはずなのです。
引用なし
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Re:どちらかに統一してはいけない
 とおり  - 14/8/25(月) 20:27 -
  
> >全部海軍機ベース
>
> 海軍機用に特化した設計が全て無駄または欠陥につながりますから、
> 統一すれば弱くなるよ、と申し上げております。
>

大陸や南方でゼロ戦を陸軍機の代わりに運用したとして、実戦で史実より弱くなるとは到底考えられません。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; WOW64; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko@235.44.30.125.dy.iij4u.or.jp>

現実にあった危機
 BUN  - 14/8/25(月) 23:46 -
  
> 大陸や南方でゼロ戦を陸軍機の代わりに運用したとして、実戦で史実より弱くなるとは到底考えられません。

確実に言えることは昭和19年9月に、
「陸軍にまで使用が及んでいた零戦」の全てが戦闘不能になる、
というとんでもない事態が発生することになります。

栄の減速歯車の欠陥問題は零戦の発展を一旦中止するほどの大事件でしたが、
これが陸軍にまで及べばさすがに取り返しのつかない事態になっていたことでしょう。

零戦と隼を作り分け、栄とハ115に互換性な無かったことで
こうした危機は回避されたわけです。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; WOW64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chr...@KD118152108004.ppp-bb.dion.ne.jp>

ノモンハンの戦訓
 薩摩  - 14/8/25(月) 23:57 -
  
横から申し訳ありません。
海軍機ベースの機体を陸海軍で共用する場合、ノモンハンの戦訓から防御力も重視するようになった陸軍は海軍主導で開発された機体を全面採用するでしょうか?
ノモンハンの航空撃滅戦で大損害を受け、主力機の大半に防弾装備を施した陸軍は海軍の設計を是とするとは考え難いのですが……。
勿論一部任務の為に機体を共用しようとするのは(史実における零戦、天山や零式三座水偵みたいな)十分あり得ると思いますが、全面的となるとどうなのでしょう?
引用なし
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Re:ノモンハンの戦訓
   - 14/8/26(火) 7:00 -
  
> 横から申し訳ありません。
> 海軍機ベースの機体を陸海軍で共用する場合、ノモンハンの戦訓から防御力も重視するようになった陸軍は海軍主導で開発された機体を全面採用するでしょうか?
> ノモンハンの航空撃滅戦で大損害を受け、主力機の大半に防弾装備を施した陸軍は海軍の設計を是とするとは考え難いのですが……。
> 勿論一部任務の為に機体を共用しようとするのは(史実における零戦、天山や零式三座水偵みたいな)十分あり得ると思いますが、全面的となるとどうなのでしょう?


烈風にしても紫電改にしても、艦上機型と陸上機型では防御の強度が変えられています。海軍機の防御が弱い、というのは艦上機として運用する上で航続力を重んじるがゆえにあえてそうしていた部分があるのです。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/36....@nttkyo294131.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp>

Re:恐ろしいことを
   - 14/8/26(火) 9:37 -
  
仮に統一空軍が出来ていたら良いか悪いかはともかくとしてこうなっていただろうという推測と、どうあればよかったのかという話は全然別のものです。

陸軍の中では技術的には海軍の方が前に立っていると感じられていた部分がかなりあります。
原型となる海軍の機体の完成を待ってキ六十五やキ八十五などとして採用を考えたいという動きがあったのも事実です。
しかし、引用いただいた書き込みで例に挙げた泰山ほどではないにしても、これらの開発がまるで進捗しないという事態に陥ってしまいます。
海軍的な考え方が主導的である場合、暗礁に乗り上げてしまいかねないものも多くなってしまうのではないか、と危惧されるところです。

結果として、対米英開戦にあたって既存のキ四十四を原型にある種場当たり的に発展させてでも手堅く実機を手に入れようとしたキ八十四が、逆に海軍から食指を動かされる存在になっています。
この場合の、少し時間をかけてでも本格的なものを作ろうとする海軍の考え方と、とりあえず機体を存在させてしまってその後性能向上を図っていこうとした陸軍の考え方はなかなか折衷が難しいものだと思います。
二つの別個の立場であったからこそ対戦闘機戦闘可能な600km/h戦闘機・キ八十四は出現し得たのだと考えます。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/36....@FL1-122-135-153-50.tky.mesh.ad.jp>

Re:恐ろしいことを
 どざえもん  - 14/8/26(火) 19:34 -
  
> また例えばフィリピンなどで実働していた四式戦が52型を実際の空戦ではるかに凌駕していたかは大いに疑問です。さらに、陸海共同開発・改良すれば史実より良いものができるとは誰しも期待するところでしょう。


 四式戦と零戦52型の性能差に疑問をもたれるようでしたら、陸海共同開発・改良した機体であろうと、ジェット機以外ではとおり様をご納得させる性能は不可能です。すくなくとも零戦と隼の違いなど問題にならないでしょう。

基本、陸軍海軍が別々に設計開発したほうがそれぞれに用途にカスタマイズできる分、高性能になるでしょう。

零戦の20ミリ機銃と隼の防弾タンク、銀河の高速性と飛龍の防御火器。それぞれに陸軍海軍カスタマイズの差です。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/36....@122x210x11x178.ap122.ftth.ucom.ne.jp>

Re:恐ろしいことを
 とおり  - 14/8/26(火) 20:01 -
  
> 仮に統一空軍が出来ていたら良いか悪いかはともかくとしてこうなっていただろうという推測と、どうあればよかったのかという話は全然別のものです。
>
> 陸軍の中では技術的には海軍の方が前に立っていると感じられていた部分がかなりあります。
> 原型となる海軍の機体の完成を待ってキ六十五やキ八十五などとして採用を考えたいという動きがあったのも事実です。
> しかし、引用いただいた書き込みで例に挙げた泰山ほどではないにしても、これらの開発がまるで進捗しないという事態に陥ってしまいます。
> 海軍的な考え方が主導的である場合、暗礁に乗り上げてしまいかねないものも多くなってしまうのではないか、と危惧されるところです。
>
> 結果として、対米英開戦にあたって既存のキ四十四を原型にある種場当たり的に発展させてでも手堅く実機を手に入れようとしたキ八十四が、逆に海軍から食指を動かされる存在になっています。
> この場合の、少し時間をかけてでも本格的なものを作ろうとする海軍の考え方と、とりあえず機体を存在させてしまってその後性能向上を図っていこうとした陸軍の考え方はなかなか折衷が難しいものだと思います。
> 二つの別個の立場であったからこそ対戦闘機戦闘可能な600km/h戦闘機・キ八十四は出現し得たのだと考えます。

まあその辺はおっしゃる通りだと思います。私は統一空軍の実現可能性は全く考え
ておりませんし。
ただ、機種統一により規格化、標準化という概念の醸成・進展、それによる生産合理化・増産の早まりは起こると思います。これも否定されますか?

陸海軍についてよく極端なセクト主義とかいがみあっていたとか言いますが、私は
あまりそういう印象は持っておらず、なんと言うか、そもそも協力しあう必然性す
ら考えていない二つの巨大組織があったというような感じでしょうか。現代で例え
れば超巨大な同業他社とでもいうのか、たまたま利害が一致すれば合弁でプロジェ
クトを行うという程度の。しかも双方の役割分担が、かなりはっきり分かれてしまっていた(太平洋担当と大陸担当)、、、、いや、全然うまい例えではないですね。

いずれにせよ空軍を統一するという動機は無いでしょう。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; WOW64; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko@235.44.30.125.dy.iij4u.or.jp>

Re:ノモンハンの戦訓
 薩摩  - 14/8/27(水) 0:46 -
  
> 烈風にしても紫電改にしても、艦上機型と陸上機型では防御の強度が変えられています。海軍機の防御が弱い、というのは艦上機として運用する上で航続力を重んじるがゆえにあえてそうしていた部分があるのです。

言葉足らずで済みません、時期的に九六艦戦と九七戦の後継機、九六式陸攻と九七式重爆の後継機辺りで統合しようとした場合、です。
この場合海軍系は零戦&一式陸攻、陸軍系は一式戦&100式重爆になると思いますが、この場合陸軍は海軍が開発した機体を受け入れるのか疑問に感じたもので……。
陸軍はノモンハンの航空撃滅戦を経験した結果として、より一層防弾装備を重視していく事になります。
この場合、ほぼ無防御に等しい零戦や一式陸攻を主力として全面的に使用するのは考え難いと思った次第です。
引用なし
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Re:恐ろしいことを
   - 14/8/27(水) 5:28 -
  
> ただ、機種統一により規格化、標準化という概念の醸成・進展、それによる生産合理化・増産の早まりは起こると思います。これも否定されますか?


> > > 全部海軍機ベースで良
> > > いのではないでしょうか。

とおっしゃるので、そうではないのではないか、と述べたまでです。


すでに、部品レベル、材料レベルであるならば、陸海軍航空基本部品規格は航空評議会材料規格を作る動きは、機種統一などとは全然別に動き始めています。
当時の機体の詳細設計図面を見れば、こうした規格に基づいた部品や材料がかなり広範囲で使われていることは看て取れます。

「機種統一」も、独立空軍などとは全然別の現実の問題として、実際に進行しています。
陸軍は、海軍の深山を自軍の新超重爆として採用することを前提に、その生産用として川崎に命じて工場建設まで行わせていたりもします。
にもかかわらず、海軍側が機体を完成させられないという現実的な事情によって、こうした動きは頓挫し、建設した工場は別機種のために使われることになってしまっています。

「機種統一により規格化、標準化という概念の醸成・進展、それによる生産合理化・増産の早まりは起こる」だろうということについては、実際にそうした機会があったのにそうはならなかった、ということがひとつ。
もうひとつには、結局機種を統一しても一機種あたりの生産量が増えれば生産設備もその分増やさなければならず、生産施設をもう一組持っているのならそこで作るのが同じ機種でなくてもそれほど効率には差が出ない、ということだったりします。
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Re:ノモンハンの戦訓
   - 14/8/27(水) 5:47 -
  
> この場合、ほぼ無防御に等しい零戦や一式陸攻を主力として全面的に使用するのは考え難いと思った次第です。

烈風の燃料槽を、局戦用に防弾タンクにすることも出来れば、しないで艦戦用とすることもできる、という例を挙げさせてもらったのですが、つまり、こうした変更は出来得ることだったのです。
零戦の燃料槽容量をそのまま防弾化するのは無理ですが、一式戦程度に燃料搭載量を減らすなら防弾タンクに載せかえることは十分可能なはずです。

こうしたことは、「用途による仕様の違い」で済む範囲なのではないでしょうか。
もちろん、用途ごとにその背景としてそれぞれのドクトリンが存在した上でのことです。

もっとも、艦戦仕様と陸戦仕様のふたつのサブタイプが出来てしまうことに結局なってしまいはするのですが。
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これはむずかしい
 じゃま  - 14/8/27(水) 6:56 -
  
>
> 零戦と隼を作り分け、栄とハ115に互換性な無かったことで
> こうした危機は回避されたわけです。

こういった問題は、今でも解決できていない。

自動車メーカーは、生産効率向上のために、シャーシの共用化を
どんどん進めていますが、その結果、シャーシに、一部でも
欠陥があると、世界中のサービス拠点で対応しなければならない。

では、多品種少量生産の方がいいかというと、その方がずっとおカネが
かかるのは、すでにわかっている。

両者の中間をさがさないといけないが、これはむずかしい。
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Re:これはむずかしい
 おうる  - 14/8/30(土) 9:36 -
  
> 自動車メーカーは、生産効率向上のために、シャーシの共用化を
> どんどん進めていますが、その結果、シャーシに、一部でも
> 欠陥があると、世界中のサービス拠点で対応しなければならない。
>
> では、多品種少量生産の方がいいかというと、その方がずっとおカネが
> かかるのは、すでにわかっている。
>
> 両者の中間をさがさないといけないが、これはむずかしい。

 すべての市場に一斉に最新モデルを投入するわけではないので、そうした問題は発生しません。

 現代(←韓国の財閥の事ではない)の自動車メーカーはだいたい世界的に展開していますが、生産工場は日本メーカーも欧米メーカーも現地生産化が進んでおり、市場ごとにモデルチェンジのタイミングを調整することが可能です。
 どのメーカーも最新モデルは自国(あるいは他の比較的インフラの整っている国)市場に投入し、様子を見たのちに他の市場で順次モデルチェンジを行います。(世界的規模で一斉にモデルチェンジをするとしたら、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジの時ですね)。
 したがって、シャシー等車両の根幹にかかわる部分でそうした世界的規模で対応しなければならないような不具合が生じる危険性はほとんどありません。

 最近ニュースになるような世界的規模のリコールは自動車メーカーが開発した部分ではなく、部品メーカーが自動車メーカーに納めている自社開発部品です。

 現在ではエンジン、トランスミッション、電子制御部品、ブレーキ、エアバッグ、シートベルト等は部品専業メーカーが開発し、それを自動車メーカーが自社の車両用に採用する方法が広く定着しています。
 その方が自社で開発・生産するよりも、開発コスト、生産設備の整備コスト、資材の調達コストを大きく抑えることができるからです。

 部品専業メーカーは複数の自動車メーカーに部品を売り込んでいるためかなり広い範囲で商品が出回ります。
 そうだからこそ、自動車メーカーが自社開発するよりも安く部品を供給できるわけですが、同時に部品に不具合が生じるとその対応規模もとんでもないものになってしまうのです。
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Re:現実にあった危機
 とおり  - 14/8/30(土) 21:49 -
  
> > 大陸や南方でゼロ戦を陸軍機の代わりに運用したとして、実戦で史実より弱くなるとは到底考えられません。
>
> 確実に言えることは昭和19年9月に、
> 「陸軍にまで使用が及んでいた零戦」の全てが戦闘不能になる、
> というとんでもない事態が発生することになります。
>
> 栄の減速歯車の欠陥問題は零戦の発展を一旦中止するほどの大事件でしたが、
> これが陸軍にまで及べばさすがに取り返しのつかない事態になっていたことでしょう。
>
> 零戦と隼を作り分け、栄とハ115に互換性な無かったことで
> こうした危機は回避されたわけです。

零戦を陸軍で使用した場合の利点を考えてみました。
私は、速度、上昇力に(格闘性能も?)劣る、あの弱武装の隼を駆って敵機をバタバタ撃墜した陸軍パイロットの操縦、射撃能力は、海軍より上なのではと密かに考えております。彼らは20mmを有する零戦を大歓迎し、恐らくは20mmの弾道特性も難なくモノにし、史実よりもさらなる戦果を上げ、前線の士気も高くなる。使用者が多くなれば戦訓からの改修要求も増えるが、特に速度への要求が高まる。それらが相まって生産現場にフィードバックされ、次期戦闘機の開発にも拍車がかかる、というような好循環を想像してみました。
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やはりむずかしい
 じゃま  - 14/8/31(日) 5:32 -
  
>  すべての市場に一斉に最新モデルを投入するわけではないので、そうした問題は発生しません。

リコールというのは、生産後、何年かしてから、数十万台の規模で発生する。

なぜかというと、トラブルは確率的なものだからです。

トラブルが顕在化するには、母集団の数が、ある程度、大きくなければ
いけない。

だから始末が悪い。
引用なし
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あんまりこの手の話はしたくないんですが・・・
 おうる  - 14/8/31(日) 22:07 -
  
> リコールというのは、生産後、何年かしてから、数十万台の規模で発生する。
>
> なぜかというと、トラブルは確率的なものだからです。

 残念ながら違います。というか正確ではありません。

 リコールというのはただの不具合対応とは違います。不具合の現象が発生した時に、火災とか事故とか人命にかかわるような重大事につながるような不具合に対してのみ行われる対応の事を言います。同じ不具合でも事故や火災に発展する可能性のない不具合に対してはリコールは行われません。
 当然ながら、不具合がおこればリコールの対象となりうる部分は厳重に審査されま、車両の安全に直接かかわる部品は「重要保安部品」と位置付けられ、安全基準をクリアし許認可を得た部品だけを使用します。そして、この部分で不具合が生じてリコールになるという事例はあまりありません。

 現在、リコールになっている案件は、使用環境の想定が甘いとか開発スケジュールの都合で品質確認が不十分だったというごく少数の事例を除くと、ほとんどが販売開始後の変更に起因するものです。
 車両の構造そのものが変更する場合は国の認証を得なければならないので、マイナーチェンジやフルモデルチェンジの時に行われますが、構造を変更しない程度の部分的な変更(たとえば部品の発注先を変更する等)の場合は国にもユーザーにもマスコミにも何の発表もせずに実施されます(一般にランニングチェンジと呼ばれます)。
 近年のリコールの多くは、こうしたランニングチェンジの際に変更になった部分や、生産の工程で新しく配属になったスットコドッコイが間違った作業を行ってしまった部分で生じる不具合なので、分母云々はあまり関係ないのです(よく「平成〇年〇月から平成〇年〇月の間に製造された〇万台が対象」と期間が限定されているのがそれです)。

 対象の製造期間が限定されておらず、何年かしてから行われるリコールは部品の経年劣化に対する事前の想定が甘かった場合の不具合がほとんどで、その顕在化は経過期間に依存し、やはり分母云々とは関係ありません。


> トラブルが顕在化するには、母集団の数が、ある程度、大きくなければ
> いけない。

 分母が大きくないと顕在化しない類の不具合でリコール対象となる案件は、当該商品の発表から1年以内に顕在化するのが普通です。何年もかかるということはありません。
 さらに言うと、その1年以内に顕在化する不具合自体も当該商品がもともと抱えていた不具合全体から見たら例外的な存在で、ほとんどの不具合は開発中に顕在化します。
 貴殿の言う母集団が大きくないと顕在しない不具合は基本的に部品のバラツキに起因するものですが、そうした不具合の洗い出しは今では当たり前のように行われていて、少なくとも部品単位ではかなりの高確率で不具合を未然に検出しています。
 今現在の日本の品質管理技術で、母集団が大きくならないと顕在化しない不具合というものは、ほぼ無いと思っていただいて良いと思います。(それにも拘わらずそういう問題が現実に存在するのは技術的な問題じゃなくて、開発担当技術者と経営陣と品質管理担当者の人間関係とかコミュニケーションとか・・・純粋に技術的な理由ではない部分によるものだったりします)


 開発が不完全だけど開発スケジュールの都合(開発の遅れによる新商品の発表時期変更は株主の信用が失われるので経営陣はまず認めない)があるから、市場に出てから対策(クレーム対応等)すればいっか・・・で、市場に出してしまい、当該案件についてよくよく調査研究してみたらリコール案件だった・・・という例外的な事例(もちろん分母の大小なんか関係なし、母集団云々以前の話)も、少数ですが過去に実在しています(具体例についてのお話はいたしかねます悪しからず)。

 この話はスレッドの趣旨からは外れますので、私のレスはこれを最後にします。
引用なし
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そうでもない
 じゃま  - 14/9/1(月) 18:28 -
  
>  ほとんどが販売開始後の変更に起因するものです。

いいえ、設計の段階では予測できないトラブルが生じるので困るのです。

> 新しく配属になったスットコドッコイが間違った作業を行ってしまった部分で生じる不具合なので、分母云々はあまり関係ないのです
>  対象の製造期間が限定されておらず、何年かしてから行われるリコールは部品の経年劣化に対する事前の想定が甘かった場合の不具合がほとんどで、その顕在化は経過期間に依存し、やはり分母云々とは関係ありません。

ちょっと待ってください。
「分母」とは具体的には何ですか。
 分母があるなら、分子は何ですか。

 なんらかのトラブルは、
 ■一万キロ走っても生じない
 ■二万キロ走ると生じる。
 といったサンプルを累積した結果です。

   二万キロで生じたトラブル+三万キロで生じたトラブル
   +四万キロで生じたトラブル…

と、走行距離あるいは経過時間が大きくなるにつれて、大きくなる。

金属疲労による破壊が典型的なものです。
だから、発売後、数年たってから、「最悪の場合、…になりうる」ということになる。

おうるさんも「その顕在化は経過期間に依存し」と書いているではありませんか。

>  分母が大きくないと顕在化しない類の不具合でリコール対象となる案件は、当該商品の発表から1年以内に顕在化するのが普通です。何年もかかるということはありません。

  「一年」である根拠はなんでしょうか。
   8760時間が、なぜ分岐点になるのでしょう.
   15000時間でない理由はなんでしょうか。
   
   数万キロ走って出現する場合がある。

>  さらに言うと、その1年以内に顕在化する不具合自体も当該商品がもともと抱えていた不具合全体から見たら例外的な存在で、

 「例外的」である根拠はありませんよ。

>  貴殿の言う母集団が大きくないと顕在しない不具合は基本的に部品のバラツキに起因するものですが、

 そんなことはないですよ。
 ある部品に10Hzの振動を10000時間加えた場合のダメージを予測するのは
非常にむずかしい。
 10000時間のテストをするわけにはいかないからです。

 10000時間経過後のダメージをシミュレートするために、「加速試験」を行います。
 たとえば、200Hzの振動を50時間加えてシミュレートする。
 しかし、これはモデル化したもので、実際とはやはり違うから、数年たってから、トラブルを起こすことがある。
部品のばらつきが全くなくても、起きる。

>  今現在の日本の品質管理技術で、母集団が大きくならないと顕在化しない不具合というものは、ほぼ無いと思っていただいて良いと思います

 そんなことはないですよ。
 現に、リコールは起きている。
引用なし
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こら、
 BUN  - 14/9/1(月) 22:05 -
  
リコールの話なんて誰もしてないぞ。
引用なし
パスワード
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Re:現実にあった危機
 nounasi  - 14/9/2(火) 13:57 -
  


現実には陸軍の四式戦開発が概ね順調に進み、海軍の紫電、烈風が難産でありました(紫電は水上機改造による早期戦力化を目的としたのにもかかわらず四式戦と同時期完成ですが不具合多数。)
海軍は零戦を使用しましたが「それらが相まって生産現場にフィードバックされ、次期戦闘機の開発にも拍車がかかる、というような好循環を想像してみました。」なんてことは一切ございませんでした。
引用なし
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そんなに速くなかった零戦
   - 14/9/3(水) 16:17 -
  
> 零戦を陸軍で使用した場合の利点を考えてみました。
> 私は、速度、上昇力に(格闘性能も?)劣る、あの弱武装の隼を駆って敵機をバタバタ撃墜した陸軍パイロットの操縦、射撃能力は、海軍より上なのではと密かに考えております。彼らは20mmを有する零戦を大歓迎し、恐らくは20mmの弾道特性も難なくモノにし、史実よりもさらなる戦果を上げ、前線の士気も高くなる。使用者が多くなれば戦訓からの改修要求も増えるが、特に速度への要求が高まる。それらが相まって生産現場にフィードバックされ、次期戦闘機の開発にも拍車がかかる、というような好循環を想像してみました。

零戦は試作機の審査の時点で、担当官が「今から世に出る戦闘機としては速度が出なさすぎないか?」と疑問を持ったというエピソードがあります。
艦上戦闘機であるがゆえに発着艦性能を優先した結果としてそのようなことになっているのですが、この意見に対しては「次で高速を追求した局地戦闘機を作るから、今回のこれはこれということで」というように応じられた、といわれています。
ここで述べられた次の局戦が、結果として主力戦闘機の任を背負えなかった雷電です。

一方で、昭和13年に陸軍は時速600キロを狙う重戦闘機キ四十四の試作指示を出しており、続いてキ六〇、キ六十三、キ六十四、キ六十五といった重戦闘機(高速戦闘機)を計画して行きます。
この間に挟まっていた軽戦闘機の計画案は整理され、最終的にはキ六十一II、キ八十四という二種類の重戦闘機として現実化されてゆくことになって行きます。
海軍の意向とは関係なく、陸軍は次期戦闘機に速度を求める方向にすでに向っていたのです。
引用なし
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Re:そんなに速くなかった零戦
 とおり  - 14/9/3(水) 20:47 -
  
> 零戦は試作機の審査の時点で、担当官が「今から世に出る戦闘機としては速度が出なさすぎないか?」と疑問を持ったというエピソードがあります。
> 艦上戦闘機であるがゆえに発着艦性能を優先した結果としてそのようなことになっているのですが、この意見に対しては「次で高速を追求した局地戦闘機を作るから、今回のこれはこれということで」というように応じられた、といわれています。
> ここで述べられた次の局戦が、結果として主力戦闘機の任を背負えなかった雷電です。
>
> 一方で、昭和13年に陸軍は時速600キロを狙う重戦闘機キ四十四の試作指示を出しており、続いてキ六〇、キ六十三、キ六十四、キ六十五といった重戦闘機(高速戦闘機)を計画して行きます。
> この間に挟まっていた軽戦闘機の計画案は整理され、最終的にはキ六十一II、キ八十四という二種類の重戦闘機として現実化されてゆくことになって行きます。
> 海軍の意向とは関係なく、陸軍は次期戦闘機に速度を求める方向にすでに向っていたのです。

そのあたりはここの過去ログで勉強させていただいております(お花畑にご教示を下さり、恐縮です)。
ただ、統一空軍で零戦が統一機種として採用されるという仮定を置いていますので、それが成立するためには、遅くとも14年までに空軍ができ、15年に零戦の採用が決まる、とすべきかなあと思い勝手に前提にしておりました。その時点で二式戦、三式戦の開発がどうなるかへたな考えをめぐらせていたのですが、おそらくサスペンドまたは消極的続行ぐらいの立ち位置になったのではと想像しておりました(零戦を遥かに引き離すほどの性能があるかどうかが課題)。で、零戦の実績を見るまで最終判断保留ということになり、中国大陸での活躍を見てから、さあどうでしょう?となりましょう。また、零戦の実績を見たあとでは、武装は20mmx2が必須となり、それらを計算に含めなければならなくなるでしょう。

しかし、もし一〜三式戦までなくなってしまうと誉搭載機まで間が開きすぎますね。
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零戦は「艦上機」という特殊な立場
   - 14/9/4(木) 6:13 -
  
> ただ、統一空軍で零戦が統一機種として採用されるという仮定を置いていますので、それが成立するためには、遅くとも14年までに空軍ができ、15年に零戦の採用が決まる、とすべきかなあと思い勝手に前提にしておりました。

けれど、海軍航空は当時すでに史実の上で独自に空軍化を目指そうとしています。空母で運用される艦上機勢力だけでなく、十三試のあたりからは陸攻に加えて戦兼爆や局戦といった陸上基地部隊での使用機種の開発に着手するようになっています。
史実の上でもやがて来るべき時代には、零戦のような艦上機は特殊な立場に限られたものになり、局戦・戦兼爆・陸攻で構成されたもうひとつの主力が中心的存在になることが構想されていたのです。
そして、そこではより陸上基地での運用に特化した、あるいは戦闘機として一般化された機体が求められることになり、その実現を求めて雷電や紫電などが作られることになってゆきます。

仮に統一空軍ができ零戦がその場の主力戦闘機になっていたとしてもそれは一時のもので、もうひとつ平行して十三試で陸軍の重戦闘機にあたる陸上戦闘機の試製に着手されていたのはほぼ間違いないだろうと思います。
実際にも、13年にキ四十四がスタートし、同時スタートのはずだった海軍局戦が延び延びになったことからキ四十四よりも若干新世代的な内容になって来たために、これに注目した陸軍がキ六十五として検討するに至っています。
陸海軍航空を統合した独立空軍にメリットを求めるなら、「艦上戦闘機」零戦によりも、陸上戦闘機・重戦闘機の部類に成功作が出現することを夢見るべきなのだと思うのですが。
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Re:零戦は「艦上機」という特殊な立場
 とおり  - 14/9/6(土) 18:03 -
  
> 陸海軍航空を統合した独立空軍にメリットを求めるなら、「艦上戦闘機」零戦によりも、陸上戦闘機・重戦闘機の部類に成功作が出現することを夢見るべきなのだと思うのですが。

まったくおっしゃる通りですね。
米陸軍はP38,P47,P51と速度も足もある「陸上戦闘機・重戦闘機の部類」を次々繰り出してきたわけですが、これらは開発当初においては大戦中に威力を発揮した航続力を持って設計されたのではないと言われます(P38は日本の局戦のような、P47は高高度戦闘、P51は低高度侵攻・対地攻撃がコンセプトだったとか)。これが結果的に足も持てるようになったのは全て発動機のおかげと思われます。機種統合によって生産合理化・開発力アップを果たした仮想統一空軍に於いても、結局は速度も足もある陸戦としては2000馬力級戦闘機を待つしかなく、その出現が早まるのを夢見るしかなさそうです。
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それは2000馬力ではなく2200馬力なのかも
   - 14/9/8(月) 14:49 -
  
> 米陸軍はP38,P47,P51と速度も足もある「陸上戦闘機・重戦闘機の部類」を次々繰り出してきたわけですが、これらは開発当初においては大戦中に威力を発揮した航続力を持って設計されたのではないと言われます(P38は日本の局戦のような、P47は高高度戦闘、P51は低高度侵攻・対地攻撃がコンセプトだったとか)。これが結果的に足も持てるようになったのは全て発動機のおかげと思われます。機種統合によって生産合理化・開発力アップを果たした仮想統一空軍に於いても、結局は速度も足もある陸戦としては2000馬力級戦闘機を待つしかなく、その出現が早まるのを夢見るしかなさそうです。

航続力に関しては、海軍で十四試局戦の先にあるものとして考えていた陸上戦闘機(昭和18年2月の性能標準軍令部案でいうところのB戦闘機のようなもの)は艦戦と同等の航続力を持つものとして設定されています。

史実の陸軍の三式戦、四式戦なども太平洋方面での使用を想定せざるを得なくなった時点で、航続力の延伸策が持ち込まれています。三式戦の「空戦時バランスが悪くなる」といわれてしまった後部胴体内タンクであったり、当初はあまり考えられていなかった四式戦への落下タンク装備であったり、です。

こうした部分は、海軍の要求がクリアできる機体があれば陸軍の作戦に使える、というところに入ってくる話だと思います。

史実の川西十七試陸戦がうまくいかなかった経緯からいえば、それは2000馬力ではなく2200馬力のものだった、という気もします。
同じく史実の陸軍でも、海軍十四試局戦を2200馬力のハ二一一に換装して性能向上させたものを自軍の重戦として使おうとしていました。
それくらいのパワーで大航続力の過荷重を支えるという計算はどこか共通していたのではないかと思うところです。
引用なし
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Re:それは2000馬力ではなく2200馬力なのかも
 とおり  - 14/9/13(土) 21:38 -
  
>
> 航続力に関しては、海軍で十四試局戦の先にあるものとして考えていた陸上戦闘機(昭和18年2月の性能標準軍令部案でいうところのB戦闘機のようなもの)は艦戦と同等の航続力を持つものとして設定されています。
>
> 史実の陸軍の三式戦、四式戦なども太平洋方面での使用を想定せざるを得なくなった時点で、航続力の延伸策が持ち込まれています。三式戦の「空戦時バランスが悪くなる」といわれてしまった後部胴体内タンクであったり、当初はあまり考えられていなかった四式戦への落下タンク装備であったり、です。
>
> こうした部分は、海軍の要求がクリアできる機体があれば陸軍の作戦に使える、というところに入ってくる話だと思います。

さて、翻って史実を見ると、海軍では諸々の事情やなりゆきにより試作上のブラックホールができてしまったわけですよね。計画では烈風が制式になるまでの「甲戦」はどうするつもりだったのでしょう。雷電がうまく行っていたらその足を延ばすことで対応してたのでしょうか。増槽二本積むとか? こうなってくると、エンジン選定のルールを外して雷電を誉で設計してたら、というのがさほど荒唐無稽でないifになるのかもしれません(既出かもしれませんが)。海軍のことなので、局戦と甲戦を考えろ、なんてことになるんじゃないかと思います。
引用なし
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