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ベスト・アンド・ブライテスト再び ダッチ・カイザー 14/6/19(木) 23:23

正解≠最良解 おうる 14/6/21(土) 14:35

正解≠最良解
 おうる  - 14/6/21(土) 14:35 -
  
>アメリカ政府の政策決定や戦略構想の何がまずかったか、なぜ「正しい」解決案は出てこなかったのかと疑問に思います。皆さんはどう思いますか。

 自分たちの考えは最も合理的で正しい。正しいのだからその考えを理解してもらえれば賛同してもらえるはずだ。みんなに賛同してもらえれば必ず成功するはずだ。

 頭のいい人が、そしてアメリカ人が最も嵌り易い罠です。

 しかし、正解=最良解ではありません。
 理論的にどれだけ正しい理屈であっても、それがどれだけ合理的であっても、最も効率の良くゴールに最短ルートでたどりつける「正解」であっても、残念ながらそれがベストではないことはよくあることです。

 忘れてはいけないのは、政治の本質は理論ではなく感情にあるということです。
 
 理論的に正しい最適解であっても、国民が心情的に受け付けられない政策は必ず失敗します。そして、感情は理屈で割り切れるものではないのです。常に不条理で非合理的で無駄な紆余曲折を強要します。
 合理的に考える癖がついてしまっていると、そんな些末な問題は一時我慢してくれれば状況は絶対に今より良くできると理解しているのですが、当事者にとってそういった理屈はたとえ頭の中で理解できていたとしても自身の尊厳を軽視した傲慢な考えにしか見えません。
 人間の尊厳は突き詰めてしまえば当人の感情が尊重されるかどうかという問題でしかないのです。そして、自身の尊厳が軽視されたとき、人は否定的感情を抱かずにはいられません。

 だから、こと政治に限って言えば、「正解」は「最良解」ではありません。
 むしろ「正解は最良解になれない」と言った方がいいかもしれません。
 特に文化や宗教の異なる世界においては尚更です。

 統治の基本はまず人民を安心させること、そして人民の感情を尊重すること、効率を追求していいのはその後です。
 しかし、頭のいい人は自分の正しさに自信を持っているがゆえに、この優先順位を真逆にしてしまいがちです。実績を見せれば納得するはずだと、心のどこかで傲慢に思っていたりすると態度がどうしても独善的になり、実績を見せる前に見放されて失敗してしまいやすいのです。
 米国はよくこの手の失敗をしますね。

 「パンとサーカス」によるガス抜きが有効なのですが、対局と言って良いほど文化的に異なる米国とイスラム圏では提供できるものが限られ、難しいものがあります。


> 日本政府は有事の際に「正しい」解決策を採用できるのでしょうか。

 政治の世界では「正解≠最良解」である以上、文化や宗教の異なる世界で「正しい解決策」を模索し続ける限り必ず失敗します。
 ただ、空気を読んで周囲に合わせることが得意なステレオタイプ的な日本人なら、こういう正解のない問題は最も得意かもしれませんね(私は全く不得手ですが)。
引用なし
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