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もしも十二試艦戦への要求速力が280ノットだったら 冷泉 19/2/10(日) 13:19
┣ 19年度には陳腐化するが…… 冷泉 19/2/10(日) 15:39
┗ まずはどんな戦闘機に仕上がるかを考えてみては? おうる 19/2/10(日) 18:35
┗ 零戦よりは幾分か小ぶりな機体でしょうか 冷泉 19/2/11(月) 0:50
┗ Re:零戦よりは幾分か小ぶりな機体でしょうか おうる 19/2/12(火) 20:12
┣ Re:零戦よりは幾分か小ぶりな機体でしょうか 冷泉 19/2/15(金) 0:30
┗ 計算してみました 冷泉 19/2/18(月) 23:58

もしも十二試艦戦への要求速力が280ノットだったら
 冷泉  - 19/2/10(日) 13:19 -
  
語り尽くされた話題かもしれませんが、もしよろしければご参加いただければと思います。


史実において零戦の改良が停滞した理由は、零戦=艦戦と、雷電=局戦への期待の差が大きく、リソースが雷電に集中して投入されたからだと理解しております。

一方、十二試艦戦への性能要求が決まっていく過程には、270ノットという史実の要求は妥協の産物であり、本当は280ノット以上欲しかった様子が見られます。
そして、速力を妥協した経緯は、着艦性能や航続力を確保するためであったと理解しております。

もし、十二試艦戦の要求を作成する際、280ノット(又はそれ以上)の速力達成が優先され、その他の性能要求が引き下げられるというIFが発生した場合、その後の戦闘機の開発はどのように進んだのでしょうか。

史実よりも局戦的に完成した十二試艦戦は史実よりも重要視され、より多くのリソースが投入されたのでしょうか。
それとも、史実と同じく後継の局戦に注目が集まり、十分な発展をしなかったのでしょうか。

ご意見を頂ければと思います。
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19年度には陳腐化するが……
 冷泉  - 19/2/10(日) 15:39 -
  
零戦64型は325ノット出ると推算されています。
280ノット十二試艦戦が同様に発展した場合、335ノット+α程度になると予想しております。
つまり、すべてがうまくいったと仮定しても紫電改や雷電と同じぐらいの速力で、火力は劣り、防弾タンクにすれば遅くなり、かつ登場は19年になってしまいます。
そうなると、やはり次世代機が必要であり、史実通り雷電にリソースが注ぐのが妥当でしょう。

一方、零戦32型は295ノット〜300ノットを出しています。
280ノット十二試艦戦の32型相当機なら、305〜310ノット出るでしょう。
そうすると、金星50型への換装、推力排気管の採用等によって、17〜18年に325ノットの機体が得られるようにも思えるのです。

それならば、14〜17年にかけて、325ノット級戦闘機を得る手段の一つとして、零戦よりもリソースが注がれる余地があるのではないか、というのが私の考えです。
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まずはどんな戦闘機に仕上がるかを考えてみては?
 おうる  - 19/2/10(日) 18:35 -
  
270ノットに対して280ノットは3.7%増しです。
推力(エンジン出力)が決まっているのであれば、抗力を3.7%減少させる必要があります。
抗力減少させたくても胴体等の方はもうこれ以上何もできない状態でしょうから翼面積を減少させることになります。
そこで単純に翼面積を3.7%減少させると単純に揚力が3.7%減少すると考えられます。

ここまでが前置き

>その他の性能要求が引き下げられるというIFが発生した場合

ではどの性能を引き下げるかで完成する戦闘機の性格はずいぶん違ったものになりそうです。
艦上戦闘機として発着艦時の安定性(つまり翼面荷重)を維持するのであれば、重量を3.7%減少させねばなりません。全備重量ベースで計算して約86kgのダイエットです。
既に他国なら無理と判断されそうなレベルで絞り込んでいるので機体構造の減肉化による軽量化は不可能なので搭載量を減らすしかありません。

20mm機銃を諦める?・・・一式戦と同様の火力不足に悩むことになるでしょう。B-17 等一部の米軍機の撃墜は史実より困難になる事が予想されます。

燃料搭載量を減らす?・・・旧海軍で使用していた航空用ガソリンの比重がどれくらいか分かりませんが、だいたい108〜115リットル減らす必要があり、航続力は史実の87%程度まで低下します。
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零戦よりは幾分か小ぶりな機体でしょうか
 冷泉  - 19/2/11(月) 0:50 -
  
おうる様
議論にご参加いただきありがとうございます。


私といたしましては、
1.着速の引き上げ
2.航続力の削減
の2点が行われたと想定しております。
『十二試艦上戦闘機計画要求書案議事摘録』には、「着速を62ノットとし航続距離を犠牲せば280ノット可能なり。」という記載がありますので、これに従った形となります。

史実の十二試艦戦が22.438uの主翼で着速58ノットを達成できているならば、同じ揚力を主翼19.6u、着速62ノットで発生させられることになります。なお、全備重量が変わらないのであれば、この時の翼面荷重は119.5kg/uです。
※揚力は翼面積に比例し、速度の二乗に比例し、その他の条件は変わらないものと仮定しております。

また航続力を高力1時間まで妥協するならば、燃料を70Lほど減らすことができます。更に主翼を縮小した分の重量も軽減できるでしょう。燃料で50kg、主翼で30〜60kg程度の重量減になり、全備重量は2230〜60kgになると見込んでおります。
翼面荷重119.5kg/uを維持するのであれば、翼面積は19uまで減らせます。

以上2点を踏まえ、以下のような戦闘機になると考えております。
・翼面積:19u(▲3.438u)
・自重:1600kg強(▲50kg弱)
・全備重量:2250kg強(▲100kg弱)
・着速:62ノット(+4ノット)
・燃料搭載量:正規370L(▲70L…300km相当?)
・武装:史実の通り

中島は栄が1000馬力を発揮するなら、主翼面積19uで速力289ノットと推算しておりますから、速力に関しては要求を満たす見込みは十分にあるかと思います。
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Re:零戦よりは幾分か小ぶりな機体でしょうか
 おうる  - 19/2/12(火) 20:12 -
  
 仮にそのスペック通りの戦闘機が完成したとして、まず別途局戦が必要になる事には違いないと思います。何故なら多少高速化したとはいえ局戦に求められた要求を満たすだけの性能はないからです。
 そして、雷電にリソースが集中された理由は局戦への期待もさることながら、雷電開発の技術的ハードルの高さが理由であろうと考えられます。よって、雷電へのリソース集中傾向は史実と同じでしょう。

 史実と変化する可能性があるとすれば、雷電へのリソース集中傾向が逆により強まるのではないかと想像します。

 零戦が初期型の段階で高速化しているので、性格的には史実の三二型が前倒しで登場することになります。長大な航続力を持ったモデルが存在していないので、二号零戦問題が生じません。
 もちろん、エンジンの高出力化や搭載機銃の変更&弾数増加といった改良は必要になるので随時モデルチェンジは行われるでしょうが、二号零戦問題やそれにまつわる不具合対応への必要性は減少するのではないかと想像します(かなり楽観的だとは思いますが)。

 つまり零戦が最初からある程度改良された状態で登場することによって、零戦を改良するために必要なリソースが減少し、その浮いた分が結果的に雷電へ集中してしまうのではないかと

 おそらくご期待に沿うコメントではないとは思いますが私はそのように想像します。
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Re:零戦よりは幾分か小ぶりな機体でしょうか
 冷泉  - 19/2/15(金) 0:30 -
  
 おっしゃる通り雷電の開発へリソースが集中される中でも、零戦の運用に支障をきたすような問題点の改善は行われています。二一型のロール性能の悪さ、強度不足であったり、二号零戦問題であったり。これは、零戦が当時使える唯一の戦闘機であった以上、当然のことでしょう。
 特に二号零戦問題は、本来であれば三二型→五二型へスムーズに移行していたはずだと以前のQ&Aにもございました。航続力不足のせいで二二型へと回り道してしまったわけで、仮に二号零戦問題が発生しなければ、その分のリソースは節約できていたのですね(当然そのリソースは他の機体に使われたでしょう)。
 艦戦へのリソース投入はむしろ減るというご指摘は、説得力があるかと思います。

 また、議論のテーマからは外れてしまうのであまり話を広げるつもりはありませんが、仮に雷電が水冷エンジンで開発されていた場合、機体設計面での技術的ハードルは下がったでしょうから(延長軸、強制冷却ファン、カウル内吸気)、その分のリソースが零戦に注がれたのかな、と考えてしまいました。
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計算してみました
 冷泉  - 19/2/18(月) 23:58 -
  
 今回のIFの機体に零戦三二型相当の改良を施すと、推算309ノット(298ノット×280ノット÷270ノット)となります。

 この機体に金星五〇型を搭載(カウリング幅+7cm、自重+100kg)し、公称二速で1100馬力を発揮させると、推算318ノットとなりました。エンジンが太くなった分、胴体にくびれが生じることを考えると、もう少し遅くなるかもしれません。
 最高速度はともかくとして、馬力荷重や翼面荷重は雷電と比較して5〜7%劣ることになりそうです。一方で翼面荷重は140kg/uとほぼ同等。やはり雷電が魅力的に見えてしまいます。

 雷電の魅力は325ノットの高速と1500馬力という大出力の両立にあり、大馬力を発揮する大直径エンジンと高速の両立のために技術的なハードルが高くなり、結果リソースが集中された、と解釈いたしました。
 十二試艦戦の姿が多少違ったとしても、その機体は火星や護といった大直径エンジンに適合できないという点が変わらない以上、史実の零戦と同様の道を辿ることになる、といったところでしょうか。
引用なし
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